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ピッツァ職人から学ぶデザイナーの生き方

ナポリピッツァ好き

自分はナポリピッツァ好きです。2002年にはナポリの老舗「ダ・ミケーレ」に行きたくてナポリにも行っています。(偶然にもこの本で語られているピッツァ職人が何人もナポリ入りしているのと同じ時期)
そんな自分が、先日吉祥寺の「ピッツェリアGG」に行き、たまたま目にしたのが井川直子さんの「ピッツァ職人」です。ナポリピッツァに魅せられナポリに行き、ナポリピッツァの作り方だけでなく、その空気に魅せられた日本人ピッツァ職人達のストーリーです。

ピッツァ職人

ピッツァ職人の生き方

この本で語られるピッツァ職人達は、みんなナポリに渡っています。そして現地で四苦八苦しながらナポリのピッツェリアで働き、ピッツァの作り方を学ぶだけでなくナポリで生きる職人の生き方のようなものを学んでいます。中でも18歳でナポリに渡った中村拓巳さんは、ナポリの生活にどっぷりと浸かり、複数の店を渡り歩き、その場その場に合わせて毎日何百枚ものピッツァを焼く生活を送っていました。それは毎日同じことの繰り返しではなく、気温や湿度、お店の釜に合わせて微妙な調整を行いながら最高のピッツァを焼き上げる生活です。

中村さんがナポリで一緒に修行していた河野さんと共に立ち上げたのが「ピッツェリアGG」です。ナポリをそのまま日本に持ち込むというのがコンセプトだそうです。自分が初めて行ったときは事前情報が全くなく、吉祥寺で美味しそうなピッツェリアというだけで選んだので、細かくは見ていなかったのですが大理石のテーブルがイタリアらしいなという印象が強く残っています。

デザイナーの仕事とは

そんなこんなで、本を読んでいるだけでピッツァ職人の仕事に感化されまくった自分ですが、最近特にデザイナーという仕事とはなんなのかを考えていたので、その職人としての矜持と生き様には考えさせられました。

自分が追い求めるものを実現するために毎日毎日釜に向かいピザを焼き上げる姿は、本を読んでいるだけでもライブのような光景が目に浮かびます。
「ナポリをそのまま」東京に持ち込もうとした二人の考えは、ものづくりはフォームではなく本人の背景にどんなストーリーが流れているかが重要だと改めて考えさせてくれました。

デザインという仕事は、ほとんどがクライアントワークで「自分の思い」を切り出すということはあまりしないことが多いですが、ある程度のものは自動的に作ることができる2024年現在。日本に生まれた自分の背景や、これまで生きて培ってきたものを生かせる仕事とはなにかを考えるきっかけになりました。


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