生物学的製剤を使用中に、抗薬物抗体はどれくらいの頻度で発生するのか?|2024年9月27日
■ ブログで公開した内容の深掘りです。
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アレルギー治療の進歩により、喘息やアトピー性皮膚炎向けの新薬「生物学的製剤」が登場したが、抗薬物抗体(ADA)の発生が注目されています。
■ 私事ですが、9月12日にコロナに罹患してしまいました。
■ 18日から仕事には復帰したものの倦怠感が強く、仕事をこなすのに精一杯で、17日、19日にようやっとでnoteやブログの更新しましたが、その後更新がとまっていました。
■ 9月27日の午後くらいから、すこしずつ良くなった印象がでてきています。
■ 早速、ブログ、noteを更新してまいります。引き続きよろしくお願いいたします。
■ さて、前置きが長くなりました。
■ アレルギーの治療法は、大きく進歩してきています。
■ たとえば重症の喘息患者やアトピー性皮膚炎に向けた「生物学的製剤」がさまざま上梓されています。
■ たとえば、喘息に対してはオマリズマブ、メポリズマブ、レスリズマブ、ベンラリズマブ、デュピルマブ、テゼペルマブがあります。
■ これらの薬は、比較的安全であることが分かっています。
■ しかし、使用が増えるにつれて、薬の効果や安全性を比較する必要が出てきています。
■ そのなかでも、生物学的製剤には、一つ問題があります。
■ それは、体が薬に対して抗体を作ってしまうことです。
■ この抗体を「抗薬物抗体」(Anti-Drug Antibodies; ADA)と呼びます。
■ ADAができると、薬の効果が弱くなったり、副作用が増えたりする可能性があります。
■ 例えば、関節リウマチの治療薬完全ヒト型TNF阻害薬アダリムマブは、31%の患者でADAができるというデータもあります。
■ しかし、喘息の治療に使われる生物学的製剤について、ADAがどのくらいできるのか、まだよく分かっていません。
■ 最近、これまでの研究結果をまとめて分析し、ADAがどのくらいの頻度で発生するのかが調査されました。
この論文でわかったことをざっくりまとめると?
中等度から重度の喘息患者を対象とし、46研究(計12,379人の参加者)において、6種類の生物学的製剤(ベンラリズマブ、デュピルマブ、メポリズマブ、オマリズマブ、レスリズマブ、テゼペルマブ)の投与を行い、中央値40週間(四分位範囲24-56週)追跡した。
✅️全生物学的製剤群での抗薬物抗体(TE-ADA)の発生率は2.91%(95%信頼区間:1.60-4.55%)であり、ベンラリズマブ群で最も高く(8.35%)、オマリズマブ群で最も低かった(0.00%)。
【簡単な解説】 薬に対して体が反応して抗体を作ることがあり、全体では約3%の患者さんでそれが起こりました。ベンラリズマブで最も多く(約8%)、オマリズマブでは全く見られませんでした。
✅️皮下投与経路とより長い投与間隔は、より高い抗薬物抗体(ADA)発現と関連していた。
【簡単な解説】 薬を皮膚の下に注射する方法で投与する薬や、薬を打つ間隔が長いほど、抗体を作りやすくなることがわかりました。これは、薬の使い方によって、薬の効果が変わる可能性があることを示しています。
以下は、論文の解説と管理人の感想です。
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