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コロナ感染後は、軽症であっても認知障害が起こっているかもしれない|2024年8月22日

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

( 本記事は、メンバーシップ(アドバンス)の記事です。メンバーシップの概要は、こちらをご参照くださいm(_ _)m)


コロナ感染後の認知機能障害が注目されているなか、英国の大規模研究でブレインフォグなどの症状と実行機能・記憶機能への影響が調査された。

■ 最近、コロナ感染後の後遺症について、特に認知機能への影響が話題になっています。
■ コロナ後の症候群として、記憶力低下や思考・集中力の困難、いわゆる「ブレインフォグ」がよく知られています。
■ これらの症状は、コロナが長期的に認知機能に影響を与える可能性を示唆しています。

■ ブレインフォグをどのように客観的に測定するかという問題はあります。

■ そして、ブレインフォグも関連したコロナ後の認知機能障害については、多くの研究者が注目しており、最近、NEJMに発表された論文が、さらに衆目を集めました。

■ このNEJMで発表された観察研究では主に2つの仮説を検証しようとしてました。
■ 1つ目は、コロナ感染後には測定可能な認知機能障害があり、その程度は病気の期間や重症度に関連するというもの。
■ そして2つ目は、長期症状(特に記憶力低下やブレインフォグ)があると、実行機能や記憶機能に客観的な障害が観察されるというものです。

■ 実行機能とは、計画立案、意思決定、問題解決などの、高度な認知機能のことです。
■ 日常生活を円滑に送るのに重要な機能といえます。

■ この検討は、英国で実施中のREACT(Real-Time Assessment of Community Transmission)コホートから得られた認知課題のパフォーマンスデータを分析され、相当大規模なものでした。


この論文でわかったことをざっくりまとめると?

英国の80万人の成人を対象に、2022年8月1日から12月30日にかけて、オンラインの認知機能評価を実施した。

✅️ 改善していない持続的な症状のある参加者では、SARS-CoV-2に感染していないか未確認感染のno-COVID-19群と比較して、より大きな認知機能の欠損が見られた(-0.42 SD; 95% CI, -0.53から-0.31)。
長引く症状がある人は認知機能に影響がありました。
新型コロナウイルスに感染して、症状が長く続いている人たちは、感染していない人たちと比べて、認知機能(物事を覚えたり、考えたりする能力)が少し低下していました。これは、長引く症状が脳の働きに影響を与える可能性があることを示しています。

✅️ 初期のウイルスまたはB.1.1.7変異株が優勢である期間にSARS-CoV-2感染した参加者は、後の変異株に感染した参加者よりも大きな認知機能の欠損が見られた(例:B.1.1.7変異株対B.1.1.529変異株で-0.17 SD; 95% CI, -0.20から-0.13)。
初期のウイルス株に感染した人の方が影響が大きかったことがわかりました。パンデミックの初期の頃のウイルス(初期のウイルスやアルファ株)に感染した人は、後の変異株(オミクロン株など)に感染した人よりも、認知機能への影響が大きかったです。これは、ウイルスの種類によって体への影響が違う可能性があることを示しています。また、時間が経つにつれて医療の進歩があったことも関係しているかもしれません。



以下は、論文の解説と管理人の感想です。

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