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2023年6月4日 【最新論文紹介】多種アレルゲンの含まれる早期導入食品製品のアレルゲン量は適切か?

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

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食物アレルゲンを離乳食に早期導入し、食物アレルギーの発症予防を試みる方法が普及してきています。

■ 離乳食にピーナッツや卵を早期導入する方法で、食物アレルギーを予防できるという報告が2015年以降ランダム化比較試験で証明されました。

■ そして、卵やピーナッツを早期導入するというガイドライン(国によって異なる)が改定され、一部成果をあげつつあります。

■ 一方で、『微量で多くの種類のアレルゲンを摂取する』という方法も提案されるようになってきました。


■ 個人的にも、方法論自体は同意できる部分もあり、実際にネットなどで話題にあがる製品、たとえば『スプーンフルワン』などが販売されています。

■ しかし、スプーンフルワンを積極的に導入するかの議論は、慎重にすすめないといけないでしょう。
■ というのも、実際にどれくらい有効性があるのかを検討せずに、リスクに関してのカバーもせずに、広く勧めるのは早計と感じるからです。

乳幼児用のミックス離乳食(Spoonfulone スプーンフルワン®)に関する注意喚起(日本小児アレルギー学会)


■ これらの製品に関しては世界的にも問題が指摘されています。
■ そして、そのような製品にどれくらいアレルゲンが含まれるかを検討した報告があります。




この論文でわかったことをざっくりまとめると?

市販の早期アレルゲン導入食品(EIF)32 製品のそれぞれ 1~8 サンプル(総計 86サンプル)のなかに含まれるアレルゲン量を確認したところ、

✅ 10,000 μg/gを超えるアレルゲン値が含まれる製品もある一方で、10 μg/g未満のみしか含まれず、一部は検出不能なほど少ない製品もあった。


以下は、論文の解説と管理人の感想です。

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noteでは、ブログでは書いていない「まとめ記事」が中心でしたが、最近は出典に基づかない気晴らしの文も書き散らかしています(^^; この記事よかった! ちょっとサポートしてやろう! という反応があると小躍りします😊