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2023年5月13日 【最新論文紹介】食物を早期導入し、食物アレルギー発症を予防する…現在までのメタアナリシスを確認すると?

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

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アレルゲンを早期導入して食物アレルギーの発症予防を行うという手法は、エビデンスがある卵・ピーナッツ以外にも検討が進み始めている。

■ ピーナッツアレルギーの発症予防に関し、『ピーナッツを生後5-10ヶ月に開始』とする方法が有効とするLEAP研究が2015年に公開されて、早くも8年が経過しました。
■ さらにLEAP試験をフォローしたLEAP-ON研究は、5歳まで継続してピーナッツを摂取しておくと新規にピーナッツアレルギーを発症しにくいことも示しました。


■ それらを受け、一部の国ではピーナッツ早期導入が推奨されるようになりました(日本では強く推奨にまでにはなっていません)。

■ そしてオーストラリアなどでは1歳までのピーナッツ導入は9割に達しました。



■ ピーナッツに引き続き、卵の早期導入が試みられました。
■ 2017年前後にその結果が相次いで発表され、早期導入による卵アレルギーの発症予防に関しては、『条件』があるのではないかと考えられるようになっています。



■ さらに、乳や、複数の食品の同時摂取など、さまざまな研究結果が公開され始めています。

■ そのようななか、JAMA Pediatricsにメタアナリシスが公開されました。



この論文でわかったことをざっくりまとめると?

乳幼児期にアレルゲンを含む食品(牛乳、卵、魚、貝類、木の実類、小麦、ピーナッツ、大豆)を導入することで、1歳から5歳までの即時型食物アレルギーの発症予防を評価したランダム化臨床試験による、メタアナリシスを実施したところ、

✅複数のアレルゲンを含む食品を導入すると、食物アレルギーのリスクが低下した(リスク比[RR]0.49;95%CI 0.33~0.74;I2=49%)[4試験(参加者3295名)]。
✅生後2ヵ月から12ヵ月に複数のアレルゲンを含む食品を導入するという方法は、その導入中止が増える可能性も上がるというエビデンスもあった(RR 2.29; 95% CI, 1.45-3.63; I2 = 89%)。
✅生後3ヵ月から6ヵ月の卵の早期導入は、卵アレルギーのリスクを低下させた(RR 0.60; 95% CI 0.46-0.77; I2 = 0%)[9試験(4811名)]。
✅生後3ヵ月から10ヵ月のピーナッツ早期導入は、ピーナツアレルギーのリスクを低下させた (RR 0.31; 95% CI,0.19-0.51; I2 = 21%)[4試験(3796名)]。


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