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保湿剤の塗布は、アレルギーマーチを予防するかもしれない|2024年4月9日

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

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保湿剤で予防できる?アトピー性皮膚炎とアレルギーマーチ。

■ アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎といったアレルギー疾患は、特に先進国を中心に少なくない病気です。
■ アレルギー疾患は、特に小さい子どもの時にアトピー性皮膚炎から始まり、気管支喘息やアレルギー性鼻炎を発症するといった、いわゆる『アレルギーマーチ』を起こすことがあります。

■ とくに、アトピー性皮膚炎が、より低年齢ではじまり、重症であり、そして長期間続くこと、もしくは皮膚バリア機能の低下しやすい体質、血中IgE抗体が高いなどといった要因が、アレルギーマーチに移行するリスクを高めると考えられています。

■ 皮膚がうまく外部からの刺激を防げなかったり、炎症が起きやすかったりするのが、アトピー性皮膚炎の問題といえます。
■ これには、環境や遺伝的な素因が関係し、皮膚を守る機能が壊れたり、免疫系が過剰に反応していき、悪い方に加速していくことになります。

■ そして、アレルギー体質そのものが、皮膚の炎症を起こしやすくなり、さらにアレルギー疾患の進行が加速することになります。

■ アトピー性皮膚炎を治療するひとつの方法として、皮膚バリア機能を回復させ、病気が再発するのを防ぐために、保湿剤がよく使われることになります。
■ しかし、アトピー性皮膚炎の発症予防効果に関しては、意見がわかれる結果になっています。

■ 我々の研究や、オーストラリアからの報告 (PEBBLES試験)、アイルランドからの試験(STOP-AD試験)では、新生児に保湿剤を使うことでアトピー性皮膚炎を減らすことが報告されました。

■ しかし、英国ではその効果は確認できなかったのです。

■ しかも、保湿剤によりアレルギーマーチまで減らすかどうかは、すくなくともヒトを対象とした研究では十分にわかっていません。

■ 最近、マウスを使って、保湿剤によりアトピー性皮膚炎や「アトピーマーチ」へ影響するかをみた検討が報告されました。


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