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乳児期に頻回にオイル浴をすると、かえって皮膚バリア機能が下がるかもしれない|2024年6月11日

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

( 本記事は、メンバーシップ(アドバンス)の記事です。メンバーシップの概要は、こちらをご参照くださいm(_ _)m)


多くの子どもが発症するアトピー性皮膚炎では、皮膚バリア機能低下と経皮水分蒸散量増加が関係します。

■ アトピー性皮膚炎は、日本でも10%前後の子どもが発症し、さまざまなアレルギー疾患のリスクをあげることが知られています。
■ アトピー性皮膚炎がある、すなわち炎症があると皮膚のバリア機能がさがり、皮膚から逃げていく水分量が増えます。
■ その皮膚から逃げていく水分量のことを経皮水分蒸散量(TEWL)といいます。

■ 生まれたときのTEWLが高い子どもは、その後にアトピー性皮膚炎を発症しやすくなることもわかっています​​。

■ そこで、アトピー性皮膚炎の発症リスクを下げるために皮膚に保湿剤を塗布するという方法が提案されるようになりました。
■ 2014年に我々の研究グループは、保湿剤によりアトピー性皮膚炎の発症リスクを下げることを報告しました。




■ しかし、2020年以降、大規模研究で『保湿剤』を塗布すると、アトピー性皮膚炎の発症リスクを下げないことが示されました。


■ そのうちのひとつが、スウェーデンで実施されたPreventADALLスタディです。

■ Prevent(予防する)、AD(Atopic dermatitis;アトピー性皮膚炎の略)、ALL(全て)という、めちゃくちゃアトピー性皮膚炎を予防することを目標にした略語ですよね。
■ しかし、予防はできなかったのです。
■ では、その『保湿剤』の使い方はどのような方法だったのでしょうか。

■ ミネラルオイルをバスタブに入れて入浴し、顔のみ保湿剤を塗る…という方法でした。さて、そのような方法が保湿剤を塗布するという方法に代用できると思うでしょうか。

■ しかも、バスオイルが頻回であるほど、皮膚バリア機能が下がるかもしれないという報告が追加されました。

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noteでは、ブログでは書いていない「まとめ記事」が中心でしたが、最近は出典に基づかない気晴らしの文も書き散らかしています(^^; この記事よかった! ちょっとサポートしてやろう! という反応があると小躍りします😊