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内服JAK阻害薬からデュピルマブに変更した際には、一時的な悪化に注意が必要かもしれない|2024年5月6日

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

( 本記事は、メンバーシップ(スタンダード・アドバンス)の記事です。メンバーシップの概要は、こちらをご参照くださいm(_ _)m)


小児の重症アトピー性皮膚炎の治療に、より適切に内服薬や注射薬が使えるように。

■ 小児にも、アトピー性皮膚炎に対するさまざまな全身治療薬が使用できるようになりました。

■ 外用薬で改善が見込めないほどの重症の患者さんへの治療にも道が開かれ、増えた治療手段をどのように使い分けるか、もしくは切り替えていくかが重要になってきたといえます。

■ そのなかでも全身へ投与する内服薬や注射薬でかなり使われるようになってきたのは、内服JAK阻害薬とデュピルマブのふたつが大きな軸となっている印象です。


■ ふたつの薬剤を直接比較すると、効果の面では内服JAK阻害薬に軍配があがるという研究結果が多いようです。

■ しかし、デュピルマブはアトピー性皮膚炎以外の適応症も持っています。例えば気管支喘息や慢性副鼻腔炎など、アトピー性皮膚炎の患者さんに合併することが多い疾患にも効果が期待できます。

■ 一方で、内服JAK阻害薬は、アトピー性皮膚炎以外のアレルギー疾患への効果は限定的のようです。

■ そのため、患者さんの状態に合わせて、これらの薬剤を使い分けたり、切り替えたりすることが重要になってくるでしょう。

■ そのようななか、デュピルマブからJAK阻害薬への変更に関しては、報告が増えています。

Sood S, Bagit A, Heung M, Maliyar K, Abduelmula A, Sachdeva M, et al. Outcomes of Systemic Janus Kinase Inhibitors Following Prior Dupilumab Use for Atopic Dermatitis: An Evidence-Based Review. JAAD International 2024.

■ では逆に、内服JAK阻害薬からデュピルマブに変更した場合はどうでしょうか?
■ まだまだ報告が少ないのですが、最近、症例報告がありました。参考になると思われ、共有いたします。


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noteでは、ブログでは書いていない「まとめ記事」が中心でしたが、最近は出典に基づかない気晴らしの文も書き散らかしています(^^; この記事よかった! ちょっとサポートしてやろう! という反応があると小躍りします😊