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アレルギー反応があったかもと思われる病歴のある乳児でも、ピーナッツを早期に導入することが出来るかもしれない?|2024年11月28日

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

( 本記事は、メンバーシップ(スタンダード・アドバンス)の記事です。メンバーシップの概要は、こちらをご参照くださいm(_ _)m)



「アレルギー反応があったかも」と判断された赤ちゃんでも、専門医の管理下で適切に評価すれば、ピーナッツを安全に食べられる可能性が高まるか?

■ 2015年のLEAP試験は、アトピー性皮膚炎のある乳児にピーナッツアレルギーの発症予防をどうするか、はじめて早期離乳食開始が有効であることを示しました。

■ LEAP試験は、生後4ヶ月~11ヶ月の乳児に対し、重症のアトピー性皮膚炎、卵アレルギー、またはその両方を持つ640人を対象とした無作為化比較試験です。
■ 参加者を2つのグループに分け、一方には定期的にピーナッツを摂取させ、もう一方にはピーナッツを摂取させないようにしました。
そして、5歳になった時点でピーナッツアレルギーを発症しているかどうかを調べました。

■ 結果として、ピーナッツを摂取したグループは、摂取しなかったグループに比べて、ピーナッツアレルギーの発症率が大幅に低かったのです(80%リスク減少)。


■ しかし、LEAP試験では自宅でピーナッツを誤食したときにアレルギー反応があったり、強い感作(皮膚プリックテスト>4mm)を示した小児は除外されていました。

■ LEAP試験で除外された強い感作(>4mm)を示した76名の乳児は、ピーナッツ回避を指導され、5歳時点で78%が食物経口負荷試験で確定したピーナッツアレルギーとなっています。

■ 皮膚プリックテスト>4mmの小児に対し、乳児期からの食物経口負荷試験の恩恵を受けられるか、また自宅での反応後の最適な診断については不明でした。
■ このような子どもに対しての検討が行われました。

※この研究は重要な知見を含みますが、一般的に「病歴があきらかな」食物の導入は、専門医の判断が必要です。自己判断はリスクが高いです。


この論文でわかったことをざっくりまとめると?

オランダの6つの小児アレルギー専門施設において、自宅でピーナッツに反応を示した186人の乳児(平均月齢8ヶ月)に対し、ピーナッツのプリックテストと監視下での経口負荷試験を実施した。

✅️ 186人中129人(69%)がピーナッツへの感作を示し、そのうち103人(80%)が4mm以上の強い皮膚反応を示した。
【簡単な解説】アレルギー検査で、多くの赤ちゃんの皮膚が強くピーナッツに反応しましたが、これは必ずしも本当のアレルギーとは限りません。

✅️ 経口負荷試験を受けた163人中120人(74%)が陰性で、その後の6ヶ月間の経過観察で96%が問題なくピーナッツを摂取継続できた。
【簡単な解説】実際に少しずつピーナッツを食べる検査をしたところ、多くの赤ちゃんが安全に食べられることがわかり、その後も継続して食べることができました。



以下は、論文の解説と管理人の感想です。

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