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新規アトピー性皮膚炎外用薬タピナロフの第2bフェーズ試験の結果は?|2023年11月28日

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

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タピナロフ:昆虫研究から皮膚病治療へ


■ カナダの研究者たちが1990年代に、ある種の線虫は、昆虫を急速に死亡させるけれども、昆虫がすぐに腐らない理由を発見しました。
■ この線虫は、細菌Photorhabdus luminescensと一緒に生活しており、昆虫に感染するとこの細菌が昆虫の体内で増殖します。
■ 研究者たちは、細菌が生み出す特定の分子(のちにタピナロフと呼ばれることになります)が、昆虫の腐敗を遅らせる原因であることを突き止めました。

■ タピナロフは抗炎症効果があり、さらに細菌が他の細菌との競争に勝つための抗生物質の役割も果たしていることが判明することになります。

Li J, Chen G, Wu H, Webster JM. Identification of two pigments and a hydroxystilbene antibiotic from Photorhabdus luminescens. Appl Environ Microbiol. 1995; 61(12): 4329–33.

Hu K, Webster JM. Antibiotic production in relation to bacterial growth and nematode development in Photorhabdus–Heterorhabditis infected Galleria mellonella larvae. FEMS Microbiol Lett. 2000; 189(2): 219–23.


■ さらにタピナロフは、乾癬とアトピー性皮膚炎を治療する薬として効果があり、米国で成人の乾癬治療薬として認可されました。
■ この薬の権利を持つダーマバント・サイエンシズは、乾癬に関する試験を終え、現在アトピー性皮膚炎の治療に関する研究も行われています。

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