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2023年5月22日 【最新論文紹介】ステロイド外用薬だけでなく、デルゴシチニブ軟膏でも『プロアクティブ療法』は可能?

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

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プロアクティブ療法は、2000年頃から普及してきた、抗炎症薬を間欠的に使用して悪化を防ぐ、アトピー性皮膚炎の治療法。


■ アトピー性皮膚炎に対する新薬として、特に中等度以上の場合は、外用薬だけでなくJAK阻害薬や生物学的製剤なども考慮できる時代となってきました。

■ しかし、これらは高価な薬剤です。

■ 現状では、ステロイド外用薬やカルシニューリン阻害薬(タクロリムス)軟膏などの抗炎症薬が治療の中心であることは間違いないでしょう。
■ ただ、外用薬に関し、PDE4阻害薬やJAK阻害薬が新規薬剤として登場して手段が増えてきています。



■ そういった中で、2000年前後から使用されるようになったアトピー性皮膚炎の治療、『プロアクティブ療法』は、かなり普及しました。

■ プロアクティブ療法とは、再燃しやすいアトピー性皮膚炎を、『悪化する前に』『間欠的に』抗炎症薬を使用するという方法です。
■ たとえば、『保湿剤を併用しながら』週1-2回の抗炎症薬を長期に塗布するということになります。


■ プロアクティブ療法は、おもにステロイド外用薬で使用されています。では、新規外用薬によるプロアクティブ療法は有効なのでしょうか?

■ 最近、後ろ向き研究ですが、ステロイド外用薬と外用JAK阻害薬であるデルゴシチニブ(コレクチム)軟膏を、プロアクティブ療法として使用し、皮膚の状態や皮膚角層水分量や紅斑指数などの主観的・客観的な指標を用いて比較するという研究結果が報告されています。


この論文でわかったことをざっくりまとめると?

ステロイド外用薬もしくはデルゴシチニブ軟膏を用いてプロアクティブ療法(週2回で寛解維持)をしている20歳以上の日本人患者25人を後ろ向きに確認したところ、

✅ 25名のうち、ステロイド外用薬週2回群は4名(16%)が湿疹が再燃し、デルゴチニブ軟膏を用いた場合は8名(32%)が再燃していた。

✅ そう痒スコアであるNRSや紅斑指標EIの平均変化量は、ステロイド外用薬を用いた部位で僅かに改善し、デルゴチニブを用いた部位では僅かに悪化した。
✅ しかし、デルゴチニブ群の角層水分量は保たれており、ステロイド群の角層水分量は低下していた。


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