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【#5】 若い人ほど読め!【DIE WITH ZERO】おすすめ度 ★★★☆☆

物欲に正直で、今のところ貯蓄はあんまりする気がない、アラサーのハラペコです。

今さら読んだDIE WITH ZERO。タイトルで定年退職する人が読む本かと勝手に思っていたのですが、むしろ若い人(特に20-30歳)が読むべき内容だったので紹介します

人生を通して、過小評価される”経験”の価値を再考する本

この本は我々が経験の価値を過小評価し、通帳残高の価値を過大評価していると説く。
働いて家庭を支えながら老後の資金を貯めるには、色々なことを我慢せざるを得ないと考える人が多いが、そうではない、と。
この本ではいくつかの誤解を指摘している。個人的にポイントだと思ったのは(1)老後の蓄えは実は大部分のケースで過剰であること、そして、(2)様々な経験は体力や関係性の観点で“賞味期限”があること、(3)経験は複利できくこと、だ。

個人資産は75歳で最大に...遅すぎない?

アメリカの統計だが、個人の純資産は平均75歳で最大となり、25万ドル(今だと4,000万円)程度になるらしい。そしてその大部分を使わないまま死んでしまう。
その一因として、支出が年々減少することが挙げらている。老後に蓄えていてもどんどん体力も物欲も無くなって使い道がなくなるのだ。医療費を含めても、支出は50歳から60歳,70歳となるにつれて実はどんどん下がっていく。アメリカでこれなら医療保険の充実した日本であれば尚更だろう。

子供に残すとは言え、残される側ももう60歳。でも、実は1番お金がありがたいのは30歳。

相続を平均的に慣らすと、60歳くらいでピークを迎えるらしい。寿命と1世代間の年齢差を考えれば当然だが、改めて考えるともっと良い方法があるような気がする。この本の著者は、必要な資金を計算した上で生前に贈与することを推奨している。
体力の観点からも、また、アンケート回答からも、理想では30歳前後で受け取るのがベストであると著者は主張する。
たしかに、30歳前後だと家庭を持って家や車や子育てと出費が増える一方で給料は十分に上がっていない、みたいな典型例はなんとなく想像がつく。

海外旅行、借金してでももっと行っとけば良かった

多くの経験は、気付いた時にはできなくなっている。代表例は海外旅行で、学生のころは時間があってもお金がないが、職についたり家庭を持つと途端にハードルが上がる。子供の手が離れてから...などと考えていると今度は体力的にもきつくなるだろう。
自分も学生時代にこれを読んでいたら、親に頼み込んでいても海外旅行にもっと行っていたかもしれない。親も子供から提案があれば、自分の経験から喜んで支援してくれる人も一定数いそうな気もする。

また著者は、こうしたハードルの上昇を定量評価する方法を提案している。例えば、同じ海外旅行を、学生最後の年から就職した後の年、結婚する前後の年、今と10・20年後と比較した時、いくら払って貰えば後者まで我慢しても良いか、と考える。
就職してしまうと休むにも有給を消化したり友人とスケジュールを合わせたりすることもコストがかかる。それに、経験はその後の人生を豊かにするため、早ければ早いほどいい。自分も卒業旅行でイタリアとスペインに行ってから、日本でもイタリア料理やスペイン料理を解像度高く楽しめるようになったのは良かったなあと思う。(もちろんそれだけではないが)
もしかしたら、就職後なら旅行料金全額出すからと言われても、就職前に行ってしまった方がいいと答えるかもしれない。そうやって予め想像力を膨らませれば、後悔を減らせるはずだ。

個人的アクションプラン

個人的アクションプラン①:タイムバケットを書く

著者は、やりたいことただまとめるのではなく、10年ごとに区切って整理しろと言う。この10年区切りでのやりたいことリストをタイムバケットと呼んでいる。上述のように、ある程度先を見越すことで経験とお金のバランスは良くなりそうだ。

個人的アクションプラン②:その中でも、とにかく友達との旅行を早く実行する

やりたいことリストにはすぐできるもの、将来的にしたいことがそれぞれある。ただ、旅行は多分大体の場合早ければ早いほどいい。自分だけでなく友人の状況も考えると、基本的には仕事も家庭も拘束は強まる一方だからだ。今が1番良いタイミングであるはずだ。

個人的アクションプラン③:親にこの本を買って配る

この本の内容は、多分人生経験が長いほど刺さる。そして、ちょっと下心を言うと、早めの贈与を促進させられる。ただ、別にこれはなにも自己中心的な話というわけでなく、親のためでもあると思っている。贈与する側もより効率的に子供を支援できて、かつ、生きているうちにとても感謝されるのだから。

個人的アクションプラン④:カウントダウンアプリを入れてみる

本ではFinal Countdownというアプリ(調べたら有料で250円)が紹介されていた。寿命、自分が学生でいれる期間、子供が家に住んでいる期間など設定すると、何もしないよりは日々を大切に過ごせるかもしれない。

その他の細かいアクションプラン:
- 経験を享受できる期間を伸ばすという目的意識で、健康と運動について見直す。 “Eat to Live”を読む
- アメリカっぽいパーティーもしてみたい

総評:★★★☆☆ おすすめ

★☆☆☆☆ 読まなくていい
★★☆☆☆ 気になったら読んで
★★★☆☆ おすすめ
★★★★☆ 絶対読め
★★★★★ 金は出すから読め

若いうちに経験に投資しろ、みたいな話はありふれていて目から鱗というわけでもないが、具体的なファクトやエピソードもあって頭に残りやすい。普遍的で大事なテーマであることも間違いない。
置かれている立場や状況によって刺さる部分が違うと思うので、気になった人は本ぺんも是非読んでほしい。何より、読んだ上で親にも配ると日本経済のためにいい気がする。

事実の列挙でない、個人的な意見モリモリの記事を色々書いているので、
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