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10/14 22:40〜

夫に「なにか(ゲーム)しないのー?」と聞く。リビングで1時間くらいずっとスマホとにらめっこしていて、ソファで寝転がっている私は退屈だった。愛犬も夫の膝で寛いでしまっている。「今日の自分の動画集めてた(笑)」と照れくさそうに答える夫は、今年28歳になるようには見えない。高校生みたいだ。

夫は久しぶりにハイボールを飲んでいる。最近はめっきりお酒を飲まなくなって、体の調子が良くなったと言っていた。おまけにお腹まわりもスッキリしたらしい。「どう?久しぶりのハイボールはおいしい?」ソファの肘掛けから顔だけのぞかせて夫を見る。スマホから目を離して私を見、「うん、でもうまいというか、今日は試合で勝った達成感的な・・」なんて言えばいいんだろ、みたいな顔をしている。「明日も飲みてー!って思う?」と聞くと「それはないね〜」と断言して、少しスッキリした顔になる。

私は第一子妊娠から授乳期、第二子妊娠と2年半ほど、お酒を飲む毎日ではなくなってしまったけれど、元々お酒を飲むことは大好きなので、夫がお酒を飲まなくなってしまうのは中々さみしい。もう少し落ち着いたら、毎日ふたりで晩酌したいよ。

夫がPS4の電源を入れて、ソファに腰掛けゲームを始める。元々寝転がっていた私は夫の膝に頭を乗せるけど、邪魔と言われる。ヒドイ!と文句を言って退く。「音無しでやるとすぐ死にそー!」と言いながらテレビの音量をあげようとしたので、「ヘッドホンつければ?」と言った。「え、いいの?」とすぐヘッドホンを取り出す。そうか、私が先日「ずっとヘッドホンで話されるのは長電話されているようでストレスたまる、時々ならまだしも毎日はきつい」と言ったから、気を遣ってくれようとしたのか。どうぞ、と言う間もなくテレビの音が消える。

少し経ってからオンラインで友人と繋がって、お喋りしながらゲームを進める。夫は、友人と話しているときはなんだか少しテンションが高めになるし、よく喋る。先日確かにヘッドホンのことで文句を言ったけれど、いまは全然イライラしない。どちらか言えば楽しそうで嬉しい。友人と楽しそうにお喋りしている中で、私の知らない夫の近況を知ることもできたりして、なんなら私も楽しいくらいだ。ずっと前からそうじゃん、と思い直す。こないだは私の心に余裕がないのにゲームをしている呑気な夫が許せなくて、それらしい理由をこじつけて八つ当たりしたんだな〜と気付いた。心に余裕を持つようにしよう。

始めてから3ヶ月以上経つシューティングゲームは、もう見違えるほど上手くなっている。ほとんど毎日のようにやっているから当然なのだろうけど、継続は力なりってこういうことだなあとしみじみ思う。私は飽き性で3ヶ月以上も1つのことを続けられたことがないから、単純にスゲー!と思う。

夫のプレイに「うまっ!」とか「へたー!!」とか適当な茶々を入れていたら、あっという間に23時半前になっていた。今日は夫が息子とお風呂に入ったので、私はまだお風呂に入っていない。そろそろ入らなきゃ…でもここから動きたくない……。

視線をテレビから夫へうつす。ハイボールを飲みながら、ビーフジャーキーをつまんでいる。朝4時半に起きて野球をするために千葉まで車でいき、2試合まるっと体を動かし、19時半頃帰ってきて、息子とお風呂に入ったひと。晩酌しながらゲームをしていて、あとはもう好きなときに寝るだけ。今日1日の夫を想像すると、きっといますごく爽快な気分なんじゃないだろうか、なんて思う。すごく羨ましい。私なんて、ソファで横になっていたって腰や恥骨が折れてるんじゃないかと思うほど痛いし、大きくなった子宮に肺が圧迫されていて息苦しい。体を思い切り動かして、汗をかいてスカッとして、気持ちよくお風呂に入れるなら、私だってこんなダラダラとソファで寝転がったりしないのに。

23時半になったらお風呂に入ると決めて、時計とテレビ画面を5分ほど交互に見続ける。夫に「まだゲームするよね?私、お風呂はいっちゃうね」と言うと、ヘッドホンを少し外して、声に出さずうんと頷く。なんなら「そうそう、お風呂に入っちゃいなよって言おうと思ってた!」の顔だ。同棲している頃からなんとなく、ベッドに入るタイミングはふたり合わせるということを大事にしてきた。口には出してないけれど私がそれを意識していることは夫も気付いているようで、マイペースな人の割にはそこは私に合わせてくれている。

そういえば何で同じタイミングで寝たいんだろう。シャワーを浴びながら色々思い巡らせるけれど、どれもしっくりこない。でも確かにそこにこだわってはいるから、なにか理由があったはずなんだけど……。モロッカンオイルのコンディショナーがいい香りで、それだけで幸せだなあと思い、考えるのをやめた。モロッカンオイルはいい香りだけど、私の髪には合わないようだから、このコンディショナーが切れたらもうやめるつもりだ。シャンプーはもうとっくに切れていて、違うものに切り替えたら少し髪の調子がよくなった。

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