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現代日本の転換点――国葬について。

 僕は、今「末世の函葢」という世紀末の話を書いているのだが、世紀末とは言っても20世紀末の過去の話であり、未来のことではない。世紀末には、終末論が付き纏いがちであるが、世紀末を過ぎた現在、却って終末論を思わせるような浮世の状況である。
 コロナ禍から始まり、ウクライナ危機まではまだ想定内であった。しかし、多くの天災が重なった上に、自民党の腐敗の露見、さらに独裁暴政を敷かれている今、もう世の中は戦乱の時代と変らないくらい乱れている。世界が戦乱に乱れていても、国情が安定しておればまだ安心出来たのだが、現在の日本はかなり危うい状態だ。
 安倍元総理を国葬することの無駄さ加減と言ったら、まるで血税を日本海溝に沈めるかのごとくだろう。そんなことをしても、故人の命はもどらないし、国民の反発を買っているので暴動が起きるリスクも高まるし、三密が破れてコロナ感染の機会も増えるし、経済効果は言わずと知れて全く無い。ただ無駄に大仰な儀式を繰り広げてなされることは、国民に国家権力の覆しがたさを知らしめることだけである。国家権力を握った者は、どんな滅茶苦茶な指示でも、通すことが出来ると言うことだ。つまり、国葬は独裁国家宣言である。
 自民党を牛耳っているのは黒幕の隠居だろうが、すべてその人の思うままに独裁されてしまう。防衛費が倍増され、憲法が書き換えられ、自衛隊が軍隊化され、原発が推進され、やがて原爆保有国になり、キムジョンウンのように世界征服を望むようになるのだ。つまりは、プーチンになりたいのだろう。そうやって軍隊化して征服しようとしているのは、韓国であり中国なのだ。今や中国はかなりの国力があるため、満州事変のようにはいかないだろうのに、日本の政治家の黒幕隠居は、世界征服を目論んでいるのかもしれない。
 政治家というのは、朝鮮出兵した秀吉に限らず権力を握ると気が狂ってしまうようである。今の日本も、権力を握って狂ってしまった黒幕が、軍国独裁政権を作ろうとゴリ押ししているのだ。改憲されて良いことがあるだろうか? だれが平和憲法をなくしたいと思うのだろうか? 広島長崎の多くの犠牲者の命が、こんなにもないがしろにされて、日本はいま、平和憲法を改変しようとしているのだ。少なくとも、政府はそう言う立場である。
 その機運の礎を作ったのが安倍元総理である。この人が改憲に尽力し、その下準備とお膳立てをしっかり進めてしまった。その人の国葬をするというのだから、これは独裁政権万歳という宣言でしかない。
 確かに、世界中なかなか平和にならない。しかし、だからこそ軍国主義は捨てるべきであるし、唯一の被爆国としての矜恃を持って、核廃絶や戦争放棄に尽力しなければならないはずなのに、自民党の政治家は再び日本を軍事化しようと必死だ。
 国葬だけで終わるなら可愛いものだか、それが国民無視の強制政治の始まりにならないかが、非常に不安だ。国葬を許したら、世論を無視して閣議決定だけでどんどん何でも独裁しそうな雰囲気だ。
 だから、国葬は決して許してはいけない。
 現在は、現代日本の非常に重要で危険な転換点である。国葬が強行されるか否かで、今後の日本が決まることだろう。

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