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祖父のどら焼き

先日、祖父が91歳の誕生日を迎えたので
今日は祖父との話を綴っていきたいなと思います。

私の祖父は91歳にしてスマホを使いこなし
LINEを使いこなし、DIYでスマホスタンド
(youtubeの落語を見る用)を作ったり
我が祖父ながら中々のスーパーおじいちゃんです。

そんな祖父は、私が家に遊びに行ったら
毎回「どら焼きあるで!」と嬉しそうに
どら焼きを出してくれます。
その他にもお菓子やらジュースやら
色々と出してくれるので、たまにどら焼きまでは
食べきれず断ると「体調悪いのか?」みたいな顔を
されます。

もはや私はドラえもんです。

そうなった理由は2019年、3年前に遡ります。
大好きな小川糸さんの「ライオンのおやつ」を読んで
「私は人生の最後に食べたいおやつは何かな〜?」
と考えてた頃、こんなツイートを発見しました。

「大好きな小川糸さんの作品の広告に私の文章も載るかもしれない…!!!!」
興奮した私は真剣に人生最後のおやつを考え始めました。
その時に思い出したのが
祖父が以前買ってきてくれたどら焼きのことでした。

元々、祖父の家には近くのスーパーで買ってきた
どら焼きがよく置いてありました。
ある日「これやっぱり日本一美味しいどら焼きだわ!」
と言いながらパクパク食べてたら
(餅が中に入っててすごく美味しいんです笑)
「1番はこんなものじゃない!今度来た時に1番を食べさせたるわ!」と突然言われ
後日本当に百貨店まで行って
どら焼きを買ってきてくれました。

祖父がわざわざ買ってきてくれたどら焼きは
もちろん美味しかったのですが
味よりも何よりも、私のためにわざわざ遠出して
買ってきてくれたことや
嬉しそうに「美味しいやろ!!美味しいやろ!!」と
言ってくれる祖父が居るその空間自体が幸せすぎて…
どんなおやつよりも1番美味しく幸せな味がしました

「やっぱり人生最後のおやつはこのどら焼きしかない!」と思った私はそのエピソードを応募し
後日無事に小さくですが掲載されました。

恥ずかしいという理由で祖父に報告すべきか
迷ったのですが、そういえば祖父は毎日新聞を
取っていたなと思い出し、報告することにしました。
どんな反応されるだろう…と思ってたのですが
想像以上に電話口で喜ばれ、無事に虫眼鏡を駆使して
私の文章も読んでくれたようでした。

その後、しばらくして来客があった時に
「これが!新聞にも載ったどら焼きです!!」と
新聞記事とともに嬉しそうに紹介してくれてて
(もはやどら焼き屋さん)
応募してよかった…!と心から思いました。

実際の私の人生最後のおやつの時には祖父はもういない可能性が高いことや、あと何回、祖父と一緒にどら焼きを食べれるのか考えたら切なくもなるのですが…
これからもドラえもんも顔負けの勢いで
優しさと思い出がたくさん詰まったどら焼きを
食べていきたいなと思います。

そして最後に、
91歳のおじいちゃんの一年も
またパワフルで素敵な一年になりますように…


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