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ブルース名盤紹介24 The Things That I Used To Do/Guitar Slim

今回は紹介するのは、
Eddie Lee Jones、
(エディ・リー・ジョーンズ)
通称ギタースリムです。

ギタースリムは1926年、
ミシシッピ州に生まれます。
1949年にはジャズの生まれた町、
ニューオリンズへ移住。
そこで音楽活動を始めました。

派手なパフォーマンスで有名ですが、
その私生活もまた、
酒と女に明け暮れた
豪快な遊び人だったそう。

しかし、大酒をあおる生活は
彼の身体を徐々にむしばみました。

そして、1959年2月7日。
32歳という若さで
肺炎を患い、亡くなってしまいます。

そんなギタースリムは、1951年に初録音。

そして1953年に発表した
”The Things I Used To Do”
がR&Bチャートで1位になるという
大ヒットを記録します。

この曲は
スティーヴィー・レイ・ヴォーンの
カバーでも有名で、
私もそれで知っていました。

彼の遺した音楽を聴いていると、
この活動時期の
ブルースミュージシャンとしては、
とてもモダンなスタイルで
演奏しているように感じました。

ホーンを擁したバンドの、
明るく、時に甘酸っぱいサウンド。

それらは時にビバップ(ジャズ)の
エッセンスが聴き取れたり、
後のソウルミュージック、
あるいはロックンロールに通じるような
ポップさを感じます。

では、次の曲。

“The story of my life”
はハウリンウルフに聴かれるような
呻きで始まるのが印象的。

そして次のハイライト、
1分40秒過ぎあたりからの
ギターソロもすごい。
キキキキキーンという
ノイジーかつ心地よい音色は、
他ではあまり聴かれません。

そのソロの後、2分27秒のあたり、
スリムが1行歌うと、
突然バックのコード進行が強調されます。
そこがまた切ない。

ブライアン・ウィルソンを
思い起こさせるような、
甘酸っぱく切なく、
空の色合いが移ろうような
コードチェンジを聴くことができます。

なんというか実にモダンなサウンド。
これが1953年に
録音されているという事は驚きです。

これはあまりにオシャレ。
という事で、演奏者クレジットを見ると、
Piano, arranger-Ray Charles
とあるじゃないですか。
あのレイチャールズですね。
さすがです。

“Later For You Baby”


これも、とてもキャッチー。
ピアノの奏法はロックンロールだし、
間奏のテナー・サックス・ソロは
ビバップ(ジャズ)風。
これがもう、むちゃくちゃオシャレ。
純粋なジャズじゃないっていう所がGood。
これも1954年の録音。驚きです。
これはアレンジャー不明。

いずれにしても、ギタースリム、
今更ですが、これは発見です。
当時凄まじい人気だったという事も納得。

今回は以上です。

さて、余談ですが、
最近このブルース名盤紹介シリーズ、
1部記事が、とても多くの方に
見ていただいているようです。

この場をお借りしてお礼申し上げます。
本当にありがとうございます。
感謝してます!

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感謝です。頑張っていきます。

ツイッターで名著
「ブルースの歴史(ポール・オリヴァー著)」
で勉強した事をアウトプットしていますので、
そちらもぜひご覧ください。


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