連れて行かれた場所は…
深夜とばかり思うほど暗がりだった。
寝室のドアが開いたのだろうか、それが聞こえたかは覚えていない
「晴夏、起きてくれない?」
母の声がした。体を起こすとうすぼんやりとした視界に警官が6人立っていた。
「OO警察。お母さんはいまあんたから乱暴されて命からがら警察まで逃げてきた」
第一声。力士ほどの体格の警官が大声でいった。
「喧嘩は、口論。話し合いは終わって、近所のレストランで食事して、帰って寝たんだけど」
私が反論すると、
「頭おかしいんじゃないか。とりあえず、着替えて、10分以内に準備!」
と女性警官が今度は大声をあげた。
逮捕状もないのに連行って可能なのか?
私は、以前も昼間、母が交番の警官をつれてきたことがあったので、そのとき弁護士に相談したときの言葉を思い出した。
「令状がなければ、連行はされない」
「任意ですよね?」
私が尋ねると、皆、顔を見合わせて、
「任意でもないな、じゃ、やっちゃいますか。とベルト式の手かせ足かせ道具を取り出した」
「いやあ!!」
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