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短歌連作『Reunion with you』

再会にきみの目元は綻んで刻まれた皺までもいとしい
知らないでいればよかった手も首もまつげも音も鮮やかすぎて
あやうげな声で触れてよやわらかいこころの奥を握り潰して
甘すぎるくちづけだったきみだけが世界なのだと思えるような
不確かな鼻歌ならば許されるだろうかきみに愛を乞うこと
気づいたらさみしくなってしまうからわざと壊れた時計をつける
歓声は届かないまま目に見えぬものに阻まれ帳が下りる
ありふれた夜なのだろうだれかれもつながれぬまま生きる以外は
さよならがこんなに重い冬 きみに幸福だけが降るよう祈る
また会えるときを夢みる次はただ楽しいだけの逢瀬がいいな

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2020年12月4日、1年3ヶ月ぶりの(配信)ライヴ「Cyberロマンスポルノ'20~REUNION~」が開催された。配信で観ていたわたしは号泣に次ぐ号泣、だったのはさておき、その数日前に「REUNION」をテーマに短歌の連作を詠んだ。
今回のライヴのことかもしれないし、そうではないかもしれない。詠んだ瞬間の感情と、当のライヴが終わった今の感情はやや違うけど、それでもそのときの言葉選びのままここに残しておきたい。本当は、ライヴの前にそうできればよかったんだけど時間がなかった。

ライヴの感想はまた述べる。今は余韻を囓りながら更に深酒したい気持ち。

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