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いつになったら揃うの、ハート

疲れ切った20時、自宅に帰ってきていつものようにふわふわルームソックスを履く。
そして気付いた。
「しまった、柄違うの履いちゃった」

左足は白地に星の柄、右足は白地にハートの柄。
ぶっちゃけ遠目から見たらどっちがどっちか分からない、くらいの差だ。
気分的に気持ち悪かったが、それぞれの相方を探し出すほどの気力が20時のわたしには残されていなかった。

それからというものの、毎日ルームソックスを履き替えて洗濯するので、いつまで経っても柄が揃わない。
酔い潰れた二人の神経衰弱ゲームくらい、揃わない。

それでもわたしはふわふわルームソックスを履く。
ノーマルな靴下だとどうしてもよそ行き感が拭い去れず、リラックスできない。
雨に濡れたうさぎの毛並みのような生地になっているし、足を組みかえただけでかかと部分が前に来てしまうけど、それでもわたしはふわふわルームソックスを履く。

誰にも邪魔されないひとり時間へ入っていくための鍵であり、悪夢からわたしを守ってくれる鎧でもある。
たとえ左右で柄が違っていても。

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