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今、真逆に伸ばされているところ


出勤しない日はスマホのアラームをかけていない。
たいがいは5時前になると自然と体が目覚めるのだが、疲労が溜まっているときは渾々と眠り続けることもある。

寝ぼけ眼で細く目を開けると、カーテンの下からうっすら光が差しているのが見える。

「ハッ、ヤバい!」

から2秒後「今日休みだったぁ」と安堵する瞬間が好きだ。
人生終わったくらいの絶望的な危機からの、速攻で救われて安全が確保される感覚がたまらなく好き。
前振りのおかげで、安堵感40パーセント増し、みたいな感覚。

そして二度寝をする。休日に二度寝しない人はちょっと損してると思うくらい、二度寝は至福の時間だ。
フリーランスで働いている人は自分を律することができて凄いと思う。
「◯時に起きて、◯時から仕事を始めよう」と自分で決められて、ちゃんと行動に移せるところが尊い。
わたしがフリーランスになったら毎日二度寝天国を過ごすに違いない。
わたしのような人間は「◯時まで出勤しなければクビだ」というルールの世界に生きているから、なんとか起きられるし、行動できる。
いつレッドカードを切られるかという危機感を抱えながら生きているからこそ、難を逃れたときの安堵感が40パーセント増しなのだ。

ある方向に力がはたらこうとしているとき、真逆の方向にも力がはたらいて、解放されたときの動きの大きさはベクトルの長さの分だけ大きくなる。
ゴムのパチンコで大きくゴムを引けば引くほど、ゴムの力でモノは大きく動く。

人間生きていれば、苦しいこと、やるせないこと、理不尽で納得できないこと、自分の力でどうしようもできないこと…自分にとってマイナスと捉えてしまう出来事が次々と起きる。
その力が強ければ強いほど、プラスの方向に自分が伸びていく可能性がひろがっていく。
限界まで伸ばされたゴムはいつか解放されなければならないのだ。

大丈夫、わたしは切れない。
大切に守ってきた何かを遠くに飛ばしながら、前方に弾き飛ばされる日を今か今かと窺っている。

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