フライングで死にかける
時差式信号機で、事故は起こったことはないのだろうか。
信号待ちをしながらふと考えた。
というのもわたしは信号が青になった瞬間、足を踏み出したい人間なのだ。
時差式信号機のある交差点では、片側車線は赤でも、もう片側車線は青のまま、というものだ。
何もないのに先を急ぐわたしは、車道の信号が赤になったら体は半分動き出そうとしている。
そういう人間はわたしだけではないと思うが、思わずフライングをして道路に出てしまった歩行者はいないのか。
…わ、た、し、だ、け、か?
どの時差式信号の交差点でも、危ないことが起こってないことを願いたい。
車を運転していても、つい半身を乗り出して青信号で発車したくなる。
くまの親が、反対側の信号をみて「えいっ」と信号が変わる瞬間を子どもに魔法のように見せる話があるが、まさにわたしはあのくまの親のごとく反対側の信号を凝視している。
何を急いでいるわけではないが、今か今かと青に変わるのを待っている。
時折なぞの五叉路のような交差点で、「青に変わる変わる」と思ってジワジワ動き出してもなかなか変わらず、「おっとっと」となることがある。
白線から半分はみ出した車体が恥ずかしい。
フライングで死にかけないように、生き急がずに暮らしていきたい。
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