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アンパンマンのなかみ

TABIPPOが終わった、という感覚をいまいちつかめないまま夜まで語った打ち上げに睡魔に襲われ眠りについた。

意識が薄いまま迎えた朝の記憶はほとんどない。スーパー低血圧の朝は非常にしんどい。ただ、右手に何やら丸いものを握った記憶だけがある。

部屋の掃除をして、すこしだけ働いて、疲れた。夜ご飯はない。買いに行く気力もあまりないけど、何も食べなかったら、おなかが空いて力が出ない。

コンビニに行こうと思い腰を浮かせ、カバンの中から財布を取り出そうとしたとき、何やら見覚えのない茶色いものが入っている。

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アンパンマンのパンだった。

そうだった、
わたしには、ヒーローがいた。

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思えばいつも、わたしにとってのヒーローだったなと思う。しんどいときにはボイスメッセージを送り、元気のない時には自撮りを送り、いつだって気を遣ってくれてた。

そんで、最後の最後には、誰にとってもヒーローである彼の顔を握らせてくれる。

私にとってのアンパンマンはきっと、みやび、彼女自身だったと思う。

一口食べてわかった。

中身、あんこじゃなくてチョコなんかい。
いつまでたっても雅らしくておもしろかった。

放浪癖もち飽き性単位諦めがち注意散漫の限界大学生です