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引き裂かれしは、ショ糖と味蕾

大学に入学して、食の実験をすることが増えました。
江戸時代や戦後すぐのレシピを復刻してみたり、ゼラチンとアガーと寒天でババロアを作り比べてみたり、空を飛べるマシュマロを開発したり。
全部が全部授業のためではないのですが、興味と関心のおもむくままにやってみる事が許される環境というか、やっぱり「それ、面白そう!」と言ってくれる人間が多いせいではあります。

さて、本日のテーマは

ダイエッターの味方らしい

中はティーバッグ状でした。

1リットルに2パック、ことこと煮ます

ぐつぐつと10分後。

何か独特な匂いが

完成。

ビジュアルはちゃんとお茶です、が。

見た目に反して青臭い、何というか、普通のお茶じゃない匂いがします。味も普通じゃない、というか、苦い。ひたすらに苦い。コーヒーの苦さと違って、ストレートな苦味しか感じられない液体。
10秒間口中に含ませた後は吐き出していい、という話なので、その通りに、ぺっ、てしても残る苦味。
さて、では、砂糖(写真に写っている粉)を食べてみましょう。
……砂。
……味がない。
ギムネマ茶に含まれるギムネマ酸が、舌の甘味受容体をブロックするらしいです。つまり、甘味が感じられなくなります。

では、次は昨日食べ忘れた月餅を食べてみます。
砂糖が砂なら、これは粘土みたいな感じでしょうか?

蓮の実餡味の月餅

もぐもぐ。
……確かに甘味は感じないのですが、なんというか「風味」は消えないのです。なので、餡のもたっとした感じやコク、あと、当たり前ですが塩味は残っています。なので、食べ物であるというところからは逸脱していません。甘い物好きな方は泣くかもしれませんが、のてりあすは元々甘味がそんなに得意ではないので、これでも普通に食べられます。

ついでにキャラメルも食べてみました。これも、乳の風味や微かな甘味のようなものは残っています。美味しいかと言えばそりゃ美味しくはないのですが、もっとえげつない味がするかと思ったのでちょっと拍子抜け。砂糖が一番味気なくなったのは、甘味以外の要素がないからですね。そういえば大学の研究室では「グミ」を食べさせられまして、これは甘味が抜けるとケミカルな酸味が残って、相当にとんがった味になっていました。

そうだ。「オリゴ糖」のシロップが冷蔵庫にありました。これを舐めたら?
……おおう。なんかぬめっとした舌触り。で、甘味が遠くにいるんですよ。
遠くにいるけど、届かない。存在は見えているのに触れられないもどかしさ、みたいな、いかにも「受容体に蓋してます」という感じです。あと何故か、かすかなしょっぱさもあり、これは中々に不気味な感覚。

しかし何より恐ろしいのは、こんな夜中に砂糖をスプーンですくって舐め、月餅だのキャラメルだのを貪り食ってしまったこと。当然ですが、甘くないからってカロリーは消えない!ネットで調べたら、小腸での糖の吸収を抑えるとか何とか書いてあってので、その辺を信じたい所です。

あとはこの残った大量のティーバッグをどうするか。
明日少し消費する予定ではあるのですが、10個は余るな。
キモチワルイ体験をしたい方は、どこかでリアルのてりあすをつかまえて下さい。無料で差し上げます。ご希望なら燃えるゴミ袋も付けます(昨日の記事参照)

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