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マネキン討伐、夢にて

17:56

最近夢を見ない。全然。

ネットで調べると難しいことが色々書いてある。とどのつまりは夢を見ている間は睡眠が浅い状態にあるらしい。
夢を見なくなったということは、私の睡眠の質がたいへん良くなったということになる。

すばらしい。

でもそれでは困る。

私は夢を見るのを楽しみにして寝る節があるからだ。もちろん怖い夢は嫌いだけれど。

夢の中だけで起こる、信じられないレベルのカオスな空間、その状況を受け入れて本気で生活している自分が奇っ怪ですよね。あの体験って夢以外であるなら喜んでやりたい。夢の中に自分はその世界観を信じて疑わないから、羞恥心とか存在してないし。

夢は2つのタイプと形態があると思う。1つは夢で主人公として生き、自己投影完璧なタイプ。もう1つは自分の行動を空から見下ろして、夢だと分かりながらも見続けるタイプ。
私は前者のケースが圧倒的に多い。
後者はどちらかと言えば、夢の続きが見たいがために2度寝するときなどに起こる。カオスな空間に身を置く自分が、どうこの展開を切り抜けるか見届けたいじゃないですか。

夢に対して高揚感が隠せない私だが、どういう訳か夢というのは記憶から無くなりやすい。覚えていられない。そこで私は考えた末、起きたらすぐにスマホにメモしてやろうと、それを片手に握りしめて寝たこともある。
結果としては半分成功した。
起きたら夜中3時のメモに「毎秒小指の爪が伸びていく?!!!」と残っていた。夢の内容は先程言ったように覚えてないので確かかは分からない。
記憶で覚えられればいいのにと心底思う。


しかし嬉しいことに1つだけ覚えている夢がある。主人公型の夢だ。物語の展開はこうだ。

浮遊した大量のマネキンたちがゆっくりとこっちへ近づいてきていて、私は全力で逃げ回っている。唯一の武器は、逃げる先々に転がっている、先端がピンピンになったHBの鉛筆。私はそれを拾い上げてマネキンに投げつける。
すると、鉛筆がまるで弾丸のような速さと軌道でキレイに刺さる。刺さったマネキンが狼狽える。しめたと思い、鉛筆で立ち向かう私。
手元の鉛筆が尽き、武器がなくなってマネキンが目と鼻の先までやってきたところで目が覚める。

...カオスだろう?至って真剣だ。これがいいんだ。変なものだと思って頂けたら本望。これが面白いんだから。

眠気覚ましに漫画アプリを立ち上げ、最新話を読むため広告CMを見る。迫るゾンビを銃で撃ち倒すゲームの広告だった。
...お前か、今日の夢の元ネタ。

私の夢は些細な記憶も拾って作られるみたいだ。

おしまい


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