続・体との対話
ウルトラマラソンを走るランナーたちによくアドバイスさせてもらうのは、走っている最中にシューズやソックスを脱いで足を楽にさせてあげること。
シューズを履いた足は、繰り返される衝撃に耐え、靴という密室の中で辛く苦しい思いをしている。
もしタイムを気にすることなく、焦らないのであれば、裸足になって足にも深呼吸させてあげるのがいい。
暑い日には足に直接水をかけたり、足を水につけたりしてあげるとなお足は喜ぶはず。
足の気持ちになってみれば分かること。
走っている最中には沿道から「頑張れ!」と声をかけられるように、自分の足にもエールを送ってあげよう。
走り終わった後には「よく頑張ったね」と感謝と労いの言葉を忘れずに…。
ランナーは常に足(脚)と共存共走している。
ランナーを支える足(脚)にも思いやりを…
地面を蹴る走りは地面と喧嘩する走り。足にも地面にもよろしくない。
速く走ろうとしてより強く地面を蹴る力を得るために筋トレをする、そんなランナーもきっと少なくはないのだろう。
地面を蹴ればその衝撃や反動が必然的に足(脚)や腰に返ってくる。
地面とも共存するために、地面を蹴るのではなく、ソフトに地面を押す走りが理想。
心穏やかに地面を押せば、足は自然に前に出て静かに地面を捉え着地する。
ただ走るだけならどんな走りでもいいのかもしれない。でも、より素晴らしい走りを求めるのであれば、自分の足や体だけにこだわっていてはエゴな走りで終わるだけで決してエコな走りは楽しめない。
足(脚)があって体があってランナーは走れる。そこに「走ろう」という意志が伴い、ゴールしようという決断が生まれる。
ならば、心と体は常に対話し続けるべきなのだ。心は体の感じるものをキャッチし、体は心からの思いをつぶさに受け止めること。
この大地(地球)に二本の脚で立ち、走らせていただいているという感謝の気持ちが感激・感動の走りを生み出す…僕はそう思いたい。
ただ、足(脚)を酷使して、思い通りに走れなかったら自分の足(脚)のせいにする…それでは足(脚)があまりにも可哀想だ。
やがてこの世から消え去る時に我々が帰っていくこの大地に思いを馳せて、大地からもパワーとエナジーをもらえるように…。
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