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「あなたが悩んでいる問題は本当に『あなたの問題』だろうか。その問題を放置した場合に困るのは誰か、冷静に考えてみることだ」

それは誰の問題か?

アドラー心理学では「それは誰の問題か?」という問いを大切にします。

任された仕事を、提出期限を過ぎても仕上げてこない部下に対して、上司であるあなたはどのように声をかけますか?

「早く仕事を仕上げなさい!」でしょうか。

しかし、仕事を期日までに仕上げるのは、いったい誰の課題なのでしょうか?

誰の課題なのか明らかにする

明らかにする方法は簡単です。

「その問題を放置した場合、不利益を被るのは誰か?」と問えばいいのです。

いつまでも仕事を仕上げない場合、不利益を被るのは部下自身です。
上司や周囲からの信頼を失い、もう新しい仕事を任せてもらえないかもしれません。
最悪、自分の居場所を失い、その組織に居づらくなるかもしれませんね。

送れている仕事は、上司や他のメンバーが替わりに仕上げることは可能でしょう。上司としても、それくらいのリスクヘッジはしているはずです。

つまり、部下が仕事の提出期限を守ってやりきる、という課題はあくまでも部下の課題であり、上司の課題ではないのです。(監督責任は問われるかも?)

他人の課題に土足で踏み込まない

しかし、多くの人は他人の課題に土足で踏み込みます。

「部下のためを思って」と言い訳しながらも「いつになったら仕上がるんだ?」「もっと早く仕事できないのか?」と上司の思う通りにコントロールしようとするのです。

そして、自分の支配欲を満たしたり、自分の世間体を繕おうとするのです。

部下はそれを察知して、支配されることを拒絶するのです。

ではどのように関わるのか?

先ずは部下に対して、今任せている仕事の重要性についてしっかり理解してもらうことが必要です。

ただ、「この仕事やっといて」では重要性なんか伝わりません。
自分が今任されようとしている仕事は、どのような人にどのような影響を与えるのかを説明して、自分の担当が終わった後も、次の作業をする人に繋がっているんだということを理解してもらう説明も必要です。

その上で、この仕事を引き受けてもらえることに同意してもらう作業、インフォームドコンセント(説明と同意)が欠かせません。

同意が取れたら後は見守る

本人にインフォームドコンセントして、「わかりました。やらせて下さい」となったら、私たちができることは支援だけです。

迷ったり、困ったことがあれば、いつでも支援する準備があることだけを伝え、後はそっと見守るしかないのです。

部下は自分の課題として、一生懸命取り組んでくれることでしょう。


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