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小説 「つくね小隊、応答せよ、」

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第二次世界大戦末期。 東南アジアの、とある島。 米軍の猛攻により、日本軍は転戦(撤退)し続け、日本兵たちは、ちりじりに離散した。 そんな中出会った別々の部隊の若い日本兵の3人、…
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#阿波

「つくね小隊、応答せよ、」(八)

「久や、久、これ、久蔵、こっちよ」 「え、ここ人んちじゃないの?」 「うん、人様のお店じ…

「つくね小隊、応答せよ、」(九)

天保といやあ、まあ今からだいたい100年くらい前だな。ばあさんが話してくれた話っていうの…

「つくね小隊、応答せよ、」(十八)

ジャングルの暗闇の中、渡邉、清水、仲村の三人が、話しています。 焼きもぐらと、砂飯の夕食…

「つくね小隊、応答せよ、」(十九)

翌日。雨が降りました。 渡邉たち三人が服を脱いで雨を浴び、清水が女風呂について語り、仲村…

「つくね小隊、応答せよ、」(廿)

天狗は深々とお辞儀をして、黒い羽をゆっくりと広げ、羽で作られた団扇を取り出しました。 「…

「つくね小隊、応答せよ、」(29)

「金長の旦那!きいたぜ!大鷹がやられたってな…ちっくしょう六右衛門のやろうめっ!力にもの…

「つくね小隊、応答せよ、」(31)

津田の四天王、川島の九右衛門。 そして小松島方、田浦の太左衛門。 お互いに刀を仕舞い、目をつむったまま、微動だにしません。 二匹の周りでは、小松島、津田のたぬきたちが、怒号や歓声や、雄叫びや悲鳴をあげながら刀を交え、血を流しています。中には、変化が解け、ただのたぬき同士で喧嘩をしているものたちもいます。 獣と血と、吐息と抜けた毛と、叫び声と鳴き声と、土煙の立ち上る中、九右衛門と太左衛門は、目をつむって対峙しております。 どうやら、お互いの気をぶつけ合い、お互いの脳内

「つくね小隊、応答せよ、」(33)

小鷹、熊鷹、左右から同時に、作右衛門に飛びかかりました。 すると作右衛門、斬りかかってく…

「つくね小隊、応答せよ、」(34)

二匹の作右衛門が大声で笑いながら、怒り狂った猫のように刀を乱暴に振り、小鷹、熊鷹へ斬撃を…

「つくね小隊、応答せよ、」(35)

刀は、作右衛門と同時に、作右衛門の動きを封じていた熊鷹も貫いています。小鷹は恐る恐る、刀…

「つくね小隊、応答せよ、」(36)

「はっけよぉい!のこったぁあああ!!」 六右衛門と金長のからだが衝突し、轟音と地響きと地…

「つくね小隊、応答せよ、」(37)

「茂右衛門さま、良き藍の葉がとれたと、となり村の農家のものが来ておりますが、いかがいたし…