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小説 「つくね小隊、応答せよ、」

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第二次世界大戦末期。 東南アジアの、とある島。 米軍の猛攻により、日本軍は転戦(撤退)し続け、日本兵たちは、ちりじりに離散した。 そんな中出会った別々の部隊の若い日本兵の3人、…
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#連載中

「つくね小隊、応答せよ、」(四)

その3つの影を見て、恐怖が弁存を包みました。 みっつの影は、薄くぼんやり白く光っています…

「つくね小隊、応答せよ、」(伍)

「…で?娘は、食われたのか?」 夜の闇の中で、仲村が訊く。 「ああ、そうだな。食われた。…

「つくね小隊、応答せよ、」(十伍)

どうやら狒狒たちには、なにか策があるようです。 それぞれが石畳を振りかぶり、本殿の早太郎…

「つくね小隊、応答せよ、」(十六)

早太郎は、かろうじて狒狒の倒す木々を避けています。 怪我をした後ろ足を痛そうに引きずり、…

「つくね小隊、応答せよ、」(十七)

「渡邉、頼みがある」 秋月が、渡邉を睨み付けるようにして言う。 「なんだ」 「…殺して……

「つくね小隊、応答せよ、」(十八)

ジャングルの暗闇の中、渡邉、清水、仲村の三人が、話しています。 焼きもぐらと、砂飯の夕食…

「つくね小隊、応答せよ、」(十九)

翌日。雨が降りました。 渡邉たち三人が服を脱いで雨を浴び、清水が女風呂について語り、仲村が満州の「あじあ号」や「阿波狸合戦」について話しています。 やがて雨が止み、青空を見上げた仲村。 航空機の音が、どこからか聞こえてきました。 実はその航空機は敵の偵察機で、仲村は偵察機の兵士と目が合ってしまいます。 航空機から位置情報が送信されたのでしょう。沖合いの戦艦から、艦砲射撃が放たれました。 「あちゃあ!こりゃ!海の上からまた鉄の塊を撃ち込まれますね…ははは早く逃げない