見出し画像

印象に残った授業(感情と暴力)

こんにちは!

これまであまり授業で学習している内容について書いていなかったので、これからは印象に残った授業内容についても触れていければと思います!

今回書くのは、Applied Conflict Researchという毎週木曜日14時から17時の授業での内容です。

授業内容は「感情と暴力」について。

イントロダクション

ここ近年、社会的コンフリクトの分析において特に恐怖や怒りのような「負」の感情の役割について注目するようになったそうです。
これまで紛争について分析する際も、感情については重きをおいていたが、完全に理論化されてはいないとのこと。
2003年のJames Gilligan "Shame, Guilt and Violence"を読んで思ったこと、気づいたこと、感情がコンフリクト分析になぜ重要なのか、クラスのみんなと話し合いました。

James Gilligan "Shame, Guilt and Violence"内容

30枚以上の論文ですが、ざっくり、ざーっくり、本当にざっくり、私が特に印象に残った部分をまとめると以下のポイントになります。

〇暴力につながる主な動機は屈辱/恥である。
〇幼少期に受けた侮辱(からかわれる、拒否される、嘲笑される、虐待etc.)により、自尊心/自己愛が欠如すると罪悪感や良心の呵責が感じられにくくなる。
〇暴力行為の原因は、恥や屈辱の感情を排除して、誇り/プライドを持ちたいという願望による。(恥をかかされた相手に暴力を用いて屈辱を与え、自分が優位であると感じたい。)

つまり、幼少期に受けた屈辱や親、他人から十分な愛を受けずに育った人は自己嫌悪に陥りやすく、その反動で他人から尊重/尊敬されたい、自分のメンツを保ちたいという想いが暴力につながることがある。

という主張をしています。

ちなみに、極度の屈辱を受けると自分自身を犠牲にすることも厭わないということを説明する段落で、日本の文化が紹介されてました。
恥辱を避ける方法が他にないと感じる場合、名誉(プライド)に死ぬことによって、恥を最小限に抑えるという侍の切腹は、研究者たちによるとまさに「それ」らしいです。

論文を読んだ感想

まずは単純に、恥が主な動機なんだ!と驚きました。どちらかというと怒りや恨みが暴力を生むと思っていたので、恥/屈辱→怒り/恨み→暴力の順番なのかとさらに暴力と感情の関係に対する視野が広がりました。

そして、コンフリクト分析をする際は恥とプライドという感情のの中でも、プライドの方に重きを置いた方が良いと個人的には感じました。プライドがあってこそ生まれる恥なので、自己愛や自尊心の形成に、より注目したほうがいいのではと思いました。

さらに、この論文には罰が苦痛を生み、苦痛が恥を生み、恥が暴力につながるという記載があります。そしたら、法や警察によって罰されたらそれがまた暴力につながり、再度罰されたらさらなる暴力につながる悪循環になるのではないかと、個人的に司法面の刑罰制度に疑問を持ちました。(だからといって罰をなくそうという考えを持ってるわけではありません…あくまで論文の記載に沿ったら!!)

議論時の他生徒の意見や見方

他の生徒の疑問点や注目点もとても興味深かったです。

例えば…
・人々の権威が損なわれていなければ、コンフリクトは回避可能なのか?
・コンフリクトの発生は論文で言われているような社会的心理によるものなのか、それとも政治的問題によるものか?
などなど

コンフリクトにも様々な種類があると思いますが、そのうちの1つとして感情と暴力の関係を改めて深く理解できたのは新たな収穫だと感じましたし、それに関してクラスメイトと議論できたのもとても意義のあるものでした!!

上手くまとめられた/言語化できたか自信はありませんが、ここまで読んでくださりありがとうございました!
また興味深いと思った授業(全部興味深いんだけど!!笑)があったら共有したいと思います!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?