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[歴史・2007年]ハマスにファタハをけしかけていた〜米国・イスラエルによるパレスチナ分断支配:リブインピース

リブインピースのアーカイブから歴史に学ぶ。
2006年1月のパレスチナ立法評議会選挙でハマスが圧勝し、ハマス主導の内閣が成立して以来、イスラエルと米国はハマスにファタハをけしかけ、系統的に対立を煽ってきた。具体的にはアッバスとファタハの腐敗分子ダハランに大量の武器・弾薬を供与し「パレスチナ内戦」を煽った。ガザ地区でダハラン率いるファタハ系治安組織がハマスの治安組織によって壊滅。ガザ地区はハマスが、西岸地区はファタハが、それぞれ実効支配するという分裂状態が現出した。

パレスチナ立法評議会選挙でハマスが圧勝し、ハマス主導の内閣が成立して以来、イスラエルと米国はハマスにファタハをけしかけ、系統的に対立を煽ってきた。2006年12月に一度、武力対立が表面化するまでになったが、それはハマスが抑え込み、自制をきかせたことによって、「内戦」には至らず失敗に終わっていた。

ガザ地区で治安組織を牛耳っていたダハランは、そういうファタハの腐敗した部分の典型である。今回、米国とイスラエルは、アッバスとダハランに大量の武器・弾薬を供与し「パレスチナ内戦」を煽った。結果は、腐敗したファタハに対して反占領闘争で士気の高いハマスがまたたく間に勝利した。それによって、米国・イスラエルと結びついたパレスチナ内部の占領協力者がガザ地区から駆逐されたのである。

事態は極めて不安定であり、流動的である。現在の状態が長続きするとは誰も考えていない。はっきりしていることは、オスロ合意以降イスラエルが追求してきたものがイスラエル型アパルトヘイト体制であったということが誰の目にも明らかになりつつあるということだ。

6月14日、ガザ地区でダハラン率いるファタハ系治安組織がハマスの治安組織によって壊滅させられた。それに対し、アッバス議長は非常事態を宣言し、ハニヤ首相を解任し、15日には財務相サラム・ファイヤド(元世界銀行職員)を首相に指名した。ハマスはこれを認めず、ガザ地区はハマスが、西岸地区はファタハが、それぞれ実効支配するという分裂状態が現出した。

反占領・平和レポート 53


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