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1980年の邦楽ベストテン

以前、「1980年の洋楽ベストテン」というのをやりました。そういった形で過去の記憶を整理していくと、いろんな再発見が合ったりして面白いものです。そして、今度は同年の邦楽についてまとめてみようと思うのです。
このときは、実際小学3年生くらい…まともにリアルタイムで聴いていたものはなく、ほぼほぼすべてが後追いです。前回同様、ランク外のところからいくつかノミネート作を20ほどピックアップしていきましょう。

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RCサクセション 『RHAPSODY』◎
阿川泰子『JOURNEY』
亜無亜危異 『アナーキー』〇
ARB 『BAD NEWS』
YELLOW MAGIC ORCHESTRA 『増殖』△
五輪真弓 『恋人よ』
EPO 『DOWN TOWN』
オフコース 『We are』〇
喜納昌吉&チャンプルーズ『BLOOD LINE』〇
カシオペア 『MAKE UP CITY』
加藤和彦 『うたかたのオペラ』〇
佐藤隆 『I've been walking』
沢田研二 『G.S. I LOVE YOU』
スペクトラム 『TIME BREAK』
JOHNNY, LOUIS & CHAR 『RICYCLE』
ジューシィ・フルーツ 『Drink!』
竹内まりや 『Miss M』
チャクラ 『CHAKRA』△
TENSAW 『TENSAW』
ノヴェラ『イン・ザ・ナイト』
PANTA & HAL 『1980X』☆
P-MODEL 『Landsale』▲
プラスチックス『WELCOME PLASTICS』
PRISM 『SURPRISE』
松任谷由実 『時のないホテル』
森田童子 『ラスト・ワルツ』
吉田拓郎 『アジアの片隅で』
吉田美奈子 『MONOCHROME』△
ザ・ルースターズ 『THE ROOSTERS』
レイジー 『宇宙船地球号』
渡辺香津美『TO CHI KA』▲

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いきなり、天下のRC『RHAPSODY』がランク外になってます(苦笑)。これはたんにライブアルバムだからで、そういう括りを取っ払えば、冷静に考えて問答無用で1位にしてたかもしれません。同様の理由でYMO『パブリック・プレッシャー/公的抑圧』も選出されておりませんので、ご容赦を。

このころはニュー―ミュージックが全盛で、フージョンブームでもあったらしい…全くその通りの結果になってます。アイドル、歌謡曲の類も興隆していたはずですが、こうした個人的なセレクトでも、アルバムという括りのなかではシーンに反映していないことがうかがえますね。

…ということでTOP10いってみましょう!

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10位:遠藤賢司『宇宙防衛軍』
個人的にアルバムというのは極力バラエティに富んでいるべきと思うのですが、それをふまえて過去の自分の遺産さえパロってしまうという感性は、実に尊敬に値すると思います。ジャンルを超越したバカアルバムですが、それを支えるのが四人囃子や土屋昌巳というわけで、そりゃ傑作なのも納得なのです!


9位:須藤薫『Chef's Special』
杉真理、松任谷正隆、来生たかお、ユーミン等のバックアップによる、J-“アメリカン”-POPの金字塔。同時期のライバル(?)EPOと比べても精錬されてないし、時代がかったリヴァーヴも気になるけど、あえてそこが良いと言わせてもいます。大瀧詠一の「あなただけI LOVE YOU」は超名曲。


8位:原田真二 & クライシス『HUMAN CRISIS』
前にも話しましたが私はELOが大好きなのです。そして、同時代的にあのスペイシー感を体現していた男が日本にいたのです(QUEENぽくもある)。ロック御三家としての逸話や「てぃーんずぶるーす」は知っていましたが、近年何気にこの3rdを聴いてみてたまげたということでの入着です。


7位:ムーンライダーズ『CAMERA EGAL STYLO / カメラ=万年筆』
70年代末期からのNWシーンに直接的に影響を受けたとおぼしき問題作。シンセの効いていた前作『Modern Music』以上に脱ロックというかポストパンク化が激しく、時代性を考慮すると、こういう音楽性でメジャーに居続けられたのが実に素晴らしいと思います。


6位:AIN SOPH 『妖精の森』
“日本プログレッシヴ界最高傑作”という方も結構多いのではないか、と思わせる隙のない作品です。カンタベリー系のジャズロックと称されますが、シンフォニックで抒情的な面も少なくなく、そのうえで異様な緊張感を保ちつつ、さらに流れるがごとくの疾走感で駆け抜けていきます。並の技量じゃございません。インスト作。


5位:グンジョーガクレヨン 『GUNJOGACRAYON』
東京ロッカーズ経由のポストパンクモノ。5曲入りのミニアルバム扱いであり、このチャートに出すのも特例なのですが、初聴時の衝撃はすさまじくピックアップさせていただきました。教授の『B-2 Unit』にも参加していたG. 組原正の鋭いインプロビゼーションに悶絶です。


4位:フリクション 『軋轢』
そして東京ロッカーズの宗家の登場です。まぁ、私ごときが選ばなくても、過去多くの雑誌メディアで、“日本のロックの最重要アルバム”として紹介されてきたので今更ぐだぐだ言うことはないでしょう。ちと過剰評価の気もしなくないが。


3位:MARIAH 『Yen Tricks』
さきほど、フュージョンブームだったたと書きましたが、その手のバンドのなかで一番プログレに近い、いやハードロック流アプローチも含め“ロック”自体に近いアルバムと認識しています。本人らは若気の至りといってますが、見せびらかし的な派手なソロは聴いてて快感です。


2位:近田春夫 『星くず兄弟の伝説』
あらゆるジャンルを咀嚼する奇才が仕掛けた、架空映画のサウンドトラック(のちに映画化)。内容は異様に情報量の多いNW歌謡なのだが、そもそもハルヲフォン時代から歌謡ロックの先駆だったわけなので納得の完成度。BEEFやビブラトーンズへ移行する過渡期の作品なのに凄い完成度でビビらされます。


1位:山下達郎 『RIDE ON TIME』
うん、これ1位にしとかないと怒られそう…じゃなくって、普通に普遍の名盤ですから。説明いりませんから。…ということでw

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うん、ホントは趣味的にノヴェラやレイジー入れたいところなんだけど、なんかまだ隙があるというか…時代的にNWOBHMと同時代ではあるんだけど、わが国では、まだ過渡期という感じが残るんで選外になっちゃいました。

…ということで、まずは1980年邦楽をやってみたんだけど、だんだん他の年もやっていきたいと思います。いつの日か60年代後半から現在までまとめることができたら、自分なりに何か発見ある気もしますし、イロイロ見つめなおすことができそうな気がします。そういう意味でもじっくり取り組んでいきたいと思います。
さらに、皆さまの反応があったらうれしいのですが、さてさて。

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