【仮面ライダーリバイス考察】第36話:歴代シリーズのテーマから見る夏木花が変身者として妥当である理由。
本日第36話が放送された仮面ライダーリバイス。
見応えのあるアクションフェーズが多く、特にベイルの強さが際立つ回と思われた今週。
しかし、それですら仮面ライダーアギレラ登場へのお膳立てでしかなく、ベイルを圧倒できるのも「ベイルのデータに無いから」という理屈がはっきりとあり飲み込みやすかった。
アギレラの徹底して足関節を攻める戦闘スタイルもシラット風で素晴らしかったし、なによりデザイン(特に肩まわり)がかっこよく、今後もっと色々なアクションに期待が膨らむ。
それでは、今週も明かされた情報をもとにリバイスのこれからについて考えていきたい。
新ヒーローの誕生
今週初登場となった仮面ライダーアギレラ。
第一話から登場してきたアギレラ/夏木花の変身はそれだけでもドラマチックだったが、単に「人気キャラクターだから」というだけで終わらせる事なく、きちんと「なぜ花なのか」を説明してくれた今週の脚本は非常に完成度が高かったと思う。
なぜ花なのか①ライダー的テーマとの合致
初代の頃から仮面ライダーには「同族への反逆」というテーマがある。
バラエティに富む平成・令和ライダーシリーズにおいても、「同じ変身プロセス」「同じ変身デバイス」という表現に置き換える事でライダーと怪人を常に"同族"として描いてきた。
リバイスにおいてもそれは同様で、当初はライダー・怪人共に同じデバイス(バイスタンプ)を用いて変身してきたが、ここへきてその状況が少し変化してきている。
序盤の展開と違い、今では敵側がスタンプを使って変身する事はほとんど無い。
なぜなら今闘っているのは「悪魔の誘惑に負けた人間」ではなく「悪魔」そのものだからだ。
となると、本作において"同族への反逆"という条件を満たすのはもはやバイスと共に闘うリバイスだけになる。
だからこそ今回、2つの軌道修正が行われた。
1つは「御子柴朱美による提案」、そしてもう1つは「夏木花の変身」だ。
御子柴朱美は今週、一輝に「ギフを倒すにはギフの力が必要。私を使って」と伝えた。
これは朱美による明確な「同族への反逆」であると同時に、ギフと同じ力をもってギフを倒すという方向への軌道修正でもある。
そして夏木花の変身。
花は"アギレラ"として、生まれて間もない頃から悪の女王として宗教的洗脳を受け悪魔として生きてきた。
そういった意味では花が変身する事は悪魔が変身する事と同義と言える。
だからこそ今週、花が変身する事にはテーマ的にも大きな意味があったのだ。
なぜ花なのか②玉置が先にライダーになっていたから
玉置はライダーになれなかったんじゃ?
そう思う人もいるかもしれない。
ただそれは違う。玉置は今週、ちゃんとライダーになった。
[仮面ライダークウガ]
五代雄介「俺はただ俺にできるだけの無理をしてる。それだけだよ。」
[仮面ライダー響鬼]
斬鬼「鬼(仮面ライダー)とは一つの生き方だ。」
[仮面ライダーW」
左翔太郎「体一つになってもグラついて倒す。その心そのものが仮面ライダーなんだ。」
[仮面ライダードライブ」
泊進ノ介「たとえ変身できなくても、ベルトさんがいなくても、俺は刑事で仮面ライダーだ!」
このように、平成以降のライダーにおいて、仮面ライダーとは必ずしも変身を必要としない。
前述した「同族への反逆」だけでなく、もう一つライダーには重要なテーマがある。それは「自己犠牲の精神」だ。
そういった意味で今回の玉置は間違いなく仮面ライダーだった。
第36話は、玉置と花の2人がヒーローとして生まれ変わった記念すべき回であったと言える。
ジョージ・狩崎が開発中のベルトとは?
今週のラスト、ジョージ・狩崎のパソコンに映っていたデモンズドライバーは一体何なのか。
彼のパソコンには3人のシルエットが変身している姿と「mass production type」の文字。
これは、デモンズの量産型を製作しているという事だろう。
デモンズの大量生産発覚によりヒロミ復活も待望されている所ではあるが、正直今ヒロミが戻ってきても玉置ともどもネタキャラとして消費されるだけだろうし個人的にはこのまま退場でいいように思う。
予想としては、見た目はオーバーデモンズをやや改良した程度。変身者はジョージ狩崎やフェニックス隊員、次点で玉置、大穴に元太といったところか。
元太が仮面ライダーベイルの見た目でベイルと闘うなんて展開も見てみたくはあるが、ベイルの持つパワーに量産型で敵うとは思えない為、可能性としては低そうだ。
ただ、たとえ直接闘う事はできなかったとしても今後元太自身なんらかの形でベイルとはケリをつけなければならないだろう。
かつてさくらの迷いが影響しラブコフに異変が起きたように、元太の心情の変化によってベイルを弱体化させたりはできないだろうか。
それにより元太が、家族をサポートする形でベイルを打倒するのが最も納得度の高い落とし所かもしれない。
ともあれ、やはり今週は仮面ライダーアギレラに全て持っていかれた感は否めない。
アギレラにも居場所が必要だと言う考えからライダーにアギレラと名付けた花には感動したし、初登場だけの見せ場で終わる事なく今後もしっかりと活躍していってもらいたいものだ。
(仮面ライダーリバイス公式サイト リンク)
https://www.tv-asahi.co.jp/revice
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