【仮面ライダーリバイス考察】第28話:五十嵐兄妹も一歩間違えればデッドマンズになり得た。
本日第28話が放送された仮面ライダーリバイス。
いつにも増して展開が難解かつスピーディーだった今回。精神世界で繰り広げられた一輝とバイスのアクションと、その後の一輝の語りは今までの中でもまさに白眉と言える仕上がりだった。
多くの事件が起きた28話を、一つずつ分解しつつ今週も考察を進めていきたいと思う。
デッドマンズに救いはないのか?
ギフは復活の為の最後の生贄としてオルテカを選んだ。
そしてギフに取り込まれる瞬間、彼の脳裏に浮かんだのは意外にも「アギレラやフリオと共に過ごした記憶」だった。
考えてみればオルテカにとってデッドマンズとは初めてできた唯一無二の「居場所」であり、彼なりにそれを守ろうと必死だったのだろう。
裏切ったフリオに罰を与え、アギレラを半強制的に自分の"しもべ"にしようとしたのも、居場所を見放され汚された事が許せなかったからなのかもしれない。
これにてデッドマンズの主要メンバーであったアギレラ、フリオ、オルテカは(少なくとも悪役としては)リタイヤしたわけだが、思えば彼らはそれぞれ「自分の欲望を解放する」と謳いながらも結局は他者に依存した動機でデッドマンズに参加していた。
「認められたい」や「信頼できる相手が欲しい」といった感情は誰しもが持つものであり、別段彼らが特殊なわけではない。
実際、さくらや大二も変身できるようになるまでは同じような葛藤を胸に抱いていたはずだ。
そんな時彼らを支えたのは、本作のテーマでもある家族からの「絶対的な信頼」すなわち「無償の愛」だった。
ただ家族からの愛を受けられる事は決して当たり前ではないし、もちろん家族による愛を受けられなくても「正しい生き方」を選べる人がほとんどだ。
それでも、その中で道を外れてしまった人には誰かが愛を持って接する必要がある。
現状、仮面ライダーリバイスの世界は愛に飢えた人間(デッドマンズ)が、生まれた時から余りある愛を受けてきた幸せな人間(五十嵐家)に敗れ散っていくという構図になっている。
力を失って以降泣いてばかりの玉置には、誰かが「そのままでもいい。強くならなくてもいい」と言ってあげてほしい。
人生の全てを否定されたアギレラには誰かの助けが必要だろう。
ジョージ狩崎は「ギフは人間に興味がない」と言った。
それを真にうけてアギレラが人間をやめようとする前に、早急に誰かが手を差し伸べてほしい。
それぞれの場所で闘うと決めた兄妹
今週のラスト、大二は腐敗したフェニックスにあえて残る事で全ての膿を出し切ると赤石に宣言し、さくらは狩崎真澄に対し初めて自ら指示を仰いだ。
これは、一輝の覚醒に感化されそれぞれが「家庭」以外の場所で成長する道を選んだという事だろう。
これで三兄妹は皆、別々の勢力に分かれた事になる。
特にフェニックスとウィークエンドは完全な敵対関係にあるわけだが、根底の志が同じである以上、今後家族が崩壊するような展開にはならないと思われる。
むしろ、それだけの絆が出来上がったからこそ袂を分かち、本格的に第二章に入ったと見るべきだろう。
これがどのような結果を招くとしても、今後のそれぞれの活躍が今から楽しみでならない。
狩崎デモンズ
今週ついに悲願の変身を果たしたジョージ・狩崎。
クウガを模した変身ポーズや響鬼リスペクトとも取れる「鍛えてますから」というニュアンスの台詞。
更にデモンズのモチーフが蜘蛛である事と狩崎特有の英語混じりの喋り方から、スパイダーマンを連想させる軽快な戦闘スタイルとなっていたのも素晴らしい演出だった。
デモンズドライバーが"寿命を吸われる"ベルトである事を理解していながらも、自らの信念を行動で示した狩崎はまさに信頼に足る男である事を証明したと言える。
親子の和解にはまだ少し時間がかかりそうだが、真澄の"クロ"要素がほぼ無くなった今、見た目の不気味さにさえ目を瞑れば協力はそれ程難しい話ではないように思える。
家族がテーマの作品である以上、狩崎親子が協力して作り出したバイスタンプがリバイスの最終フォームを生み出す事になるのではと考察する。
今週は「ギフの復活」と「家族の離散」、「デッドマンズの崩壊」という大きな事件が立て続けに起こった。
次回平成ライダー以降お馴染みとなったギャグ回を一旦挟んで、次々回となる30話から本格的に第二章に入っていく形を取るのではないだろうか。
TTFCでは本日から「リバイスレガシー 仮面ライダーベイル」が配信開始となっている為、そちらと並行して今後のリバイスをしっかり楽しんでいきたい。
(仮面ライダーリバイス公式サイト リンク)
https://www.tv-asahi.co.jp/revice
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