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【仮面ライダーリバイス考察】第40話:共感できる悪役と、共感できない主人公。

本日第40話が放送された仮面ライダーリバイス。

一輝1人の力では、バラバラになった五十嵐一家をまとめる事はできなかった。それどころか、溝は更に深くなったように思えてならない。
戦闘においてはさくら、光、花の変身シーンに印象的なカメラ移動が用いられたりと面白い部分もあったが全体としては顔のアップが多く、会話重視の演出となった。

後半の赤石と太助の会話は、シリーズ屈指の名シーンと言えるのではないだろうか。

それでは今週も、明かされた情報をもとに仮面ライダーリバイスのこれからについて考えていきたい。

"共感してもらう"ということ。


40話のテーマは恐らく「理解者の存在」。

一人になりたいと言うさくらを抱きしめ、側にいた花。
怒りを露わにする大二を抱きしめ、その思いに共感した赤石。
最期の最期で牛島太助の思いを理解した光と、それを感じ取った赤石。


そんな中、一輝だけは最後まで大二の理解者になれなかった。
大二の葛藤に共感する事なく「殴り合えば許し合える」という単純な思考停止に逃げた。

しかも兄弟喧嘩とは、これから「ギフと闘わない」という決断をしようとしている大二に対して最も効果的でない方法に思える。
更に一輝は、あろうことか大二に直接「自分はこれから喧嘩してお互いの意見をぶつけ合って仲直りするつもり」である事を宣言してしまう。
大二が「馬鹿にされている」と感じても無理は無い。

正直、第40話だけに限って言えば赤石よりも一輝の方がよっぽど無神経で残酷だ。

大二を救いたいのなら、ギフに最も近い存在である赤石をアルティメットリバイスの力で倒す必要があるが、大二の中で赤石がもう一つの家族となりつつある以上それすらも逆効果になりかねない。

一輝の取った行動は、それが招いた結果も含め最悪と言える。

ギフや赤石、ベイルによって家族が傷つけられない限りもはや大二が目を覚ます事はないのかもしれない。


赤石の人間くささ

ここ最近、赤石のキャラクター的魅力は増す一方だ。
橋本じゅんさんの演技力によるところも勿論大きいのだが、なにより惹かれるのはその"人間くささ"だ。

今週、大二を抱きしめ「誰からも理解されない」事に共感した赤石。
これは大二を仲間に取り込む為の演技とも取れるが、大二をモニタリングしている時にもその姿に狼狽えているような描写が見られ、恐らく本当に大二と自分を重ねていたのだろう。

そして、自ら光の身代わりとなった牛島太助との会話。
恐らくあの場で太助を無視し、光やさくら達に追いついてウィークエンドを壊滅させる事もできた筈だがそうとはせず、彼はあの場で太助と話す選択をした。

太助の身体を貫いた時、赤石を映すカメラは明らかにグラついており、彼の心に少なからず動揺がある事を表していた。

太助から家族の話を聞いた赤石はその場に座り込む。
自らの掲げる大義の為に犠牲となる人間を目の前にした彼の表情からは複雑な感情を読み取る事ができた。

恐らく彼は今まで何度もこのような場面に直面してきたのだろう。

そして太助の死を見届けた後、ウィークエンドを追わずに大二のもとへ向かった。
これには「命を賭けた太助の行動に免じて見逃す」という意味も勿論あるのだろうが、それよりもただ「なんとなく家族に会いたくなった」だけのようにも見える。

赤石は悪魔として確かに驚異的な強さを持つが、それ以上に"人間として"優れている。
今回の変身もギフの力を受けているに過ぎず、赤石自身の悪魔は登場しない。
彼自身、自分の欲望や欲求は完璧にコントロールできた上で人間全体の為に行動をしているという事だろう。

赤石は誰よりも人間的だ。
だからこそ動物的であり、機械的でもある。
となればギフよりも恐ろしいのは、やはり赤石なのではないだろうか。


ともあれ最終話まであと10話足らずという事で、ここから物語は更に加速していくと思われる。
来週は純平(元太)とベイルにも決着の時が訪れるようで、これが兄弟喧嘩の話ともうまく絡んでくれれば大二更生のきっかけになるかもしれないと期待しつつ、来週の展開を待ちたい。


(仮面ライダーリバイス公式サイト リンク)
https://www.tv-asahi.co.jp/revice

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