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【仮面ライダーリバイス考察】第48話:ジョージ狩崎の物語に乗れなかった理由。

本日第48話が放送された仮面ライダーリバイス。

ここへきてまた作風が変わり若干置いていかれた感は否めないが、当初のリバイスらしいと言えばらしいのかなという印象。
ジュウガのデザインやギミックがカッコいいので戦闘シーンに関してはかなり楽しめた。

それでは今週も、明かされた情報をもとにリバイスの今後について考えていきたい。

一輝の記憶と物語の終着点

今週変身した事で、一輝の中から「大二・さくら」に関する記憶が消えた。

今までは消えた事にも気づかないような記憶ばかりだったのに、ここ二週間で突然両親・兄妹と、なんだか狙ったようにピンポイントで重要な記憶が消えていく。
特に今回は「もし次変身したら兄妹の記憶が消えるかもしれない」と言い続け、そして本当に兄妹の記憶を消して見せた。
これには流石に物語的強引さを感じざるを得ない。
また記憶喪失に関して、ここへきて周囲にベラベラ喋り始めた事についても「そんな簡単に話すならもっと早くから言っておけば対策もできただろうに」という思いが拭えない。

一輝のおせっかいな性格をまわりが勝手に許していくという展開は良い意味で"初期リバイス"的ではあるのだが、これもやはり「どうせ言っても聞かないから好きにやらせてみようか」という着地にしかならないので物語としての推進力にはなりづらい。

そもそも、一輝は今回の変身解除時点で家族全員の事を忘れていたはずなのに、ジョージに家族の愛の素晴らしさ、尊さを説いていた件についても違和感がある。

来週はついにバイスが裏切るようだがこれも明らかに本当の決別ではなく、恐らく「バイスを倒せば(消せば)契約が破棄となり一輝の記憶が戻る」といった展開に持っていくつもりなのだろう。


ジョージ狩崎の物語に乗れなかった理由

今週決着した狩崎家の物語。
ジョージ狩崎を演じる濱尾ノリタカさんの演技力とジュウガのカッコよさでなかなかに引き込まれたが、それでも物語に全体重を預ける事はできなかった。その要因として、やはり物語的な疑問点が足を引っ張った部分が大きいのだろう。

疑問①:
狩崎真澄のした事を全て"愛"で片付けていいのか?

真澄がした「悪魔の移植」は明らかに歪んだ愛の形であり、「お父さんに愛されていたんですね」という美談にまとめるには余りに闇が深すぎるように思えてならない。
ジョージの復讐は方法こそ間違っていたものの、自分の人生を再スタートさせる為に必要な行為としては充分に理解できる。
今回の決着では結局ジョージは狂った父親の呪いから解放されない。明確なバッドエンドであると感じた。

疑問②:
リバイスドライバーの話が真澄と繋がらない

リバイスとの決闘に敗れ、倒れるジョージに見せられた"幼少期に描いた絵"の数々。
カラフルな動物、恐竜が人の体から飛び出しているような絵の中にはピンク色のT-Rexが描かれたものもあった。
一輝が「全部、狩崎さんのアイデアから始まったんですね」と語りかけ、ジョージは涙する。
しかし、リバイスドライバーはそもそもジョージが作ったものであり真澄は関わっていないはずだ。
ここで登場する絵の数々は、ジョージの作ったシステムが幼少期から描いていたイメージを基にしている事を証明しているに過ぎず、真澄の愛を証明する事にはならない。


疑問③:
ジョージは父からの愛を求めていたのか?

ジョージに対し、周りが寄ってたかって「あなたは愛されていたんですよ」という趣旨の説得をしていたが、本当にジョージの怒りは「愛されていなかった」事に対しての物なのだろうか。
真澄がジョージを愛していた事は視聴者含め誰もが知っていたし、ジョージもそれ自体は分かっていたように思う。
問題は、その愛が"自らの悪魔を移植し、悪魔を通じて永遠に繋がろうとする"程に歪んでしまっていた事だ。
愛が前提にあり、そして家族であれば無条件に許さなければいけないのか。
今回の脚本からはそういった"押し付け"に近いものを感じた。


とはいえ、1年間追いかけてきたリバイスも残すところあと2話。
この物語の結末がどんなものであれ、最後まで見届けたいと思う。

(仮面ライダーリバイス公式サイト リンク)
https://www.tv-asahi.co.jp/revice

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