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PDリハビリ研究所主催「飲みトーーク」10月開催報告

10月16日(金)に開催されました、PDリハビリ研究所主催!第1回「飲みトーーク」の開催報告をします。

PDリハビリ研究所のメインコンテンツでもある「飲みトーーク」。
11月のプレオープンに向けた、記念すべき第1回目の開催となりました。

まずは、ご参加いただいた皆様ありがとうございました。
総勢24名のパーキンソン病に携わる理学療法士、作業療法士の皆さんに熱いトークを繰り広げていただきました!!


運営スタッフ一同、初めての開催で、ドキドキ、ワクワクな心境でしたが、一人一人のリハビリへの情熱に、PDリハビリ研究所の立ち上げの意義を深く感じた2時間でした。
(実は、トークが白熱し、2時間半近くかかってしまいました・・反省・・)

こちらでは、飲みトーークの詳細参加者皆さんの声などをお伝えしていきます!


▼ディスカッション①「すくみ足ってどう評価する?」

今回のテーマはすくみ足
パーキンソン病の方に携わるセラピストであれば、ほとんどが目にする症状ではないでしょうか。

トークルームでグループに別れる前に、すくみ足の患者様の動画を確認。
すくみ足について、どのようなことが患者様にとって問題点となるか、などを一人一人想像しながらトークルームへ。

一つ目のテーマである「すくみ足ってどう評価する?」では、1グループ4人ほどに分かれて話し合いました。

ディスカッションの一部をご紹介します。
・精神的な面からすくみを起こしているケースもあるため、ポジティブになるような評価をしている
・ビデオを撮り定量的に確認する
・すくみ足が何秒出るのか、何回出るのかなど測定する
・病院でのリハビリと自宅での環境は異なるため、自宅での状況を確認する
・前傾、左右の重心移動など姿勢を評価をする
・大きく一歩を出せるような認知面の評価をする
・狭い空間、狭く感じる場所、最初の一歩なのか・・など、どの環境ですくみが出るか評価する
・訪問の場合などは既に服薬していることも多いため、服薬状況を加味して評価する
・どんな音や音楽、どんな印かなど、一歩が出る方法を詳細に評価する
・すくみ足になる時の状況を再現してもらう

病院や自宅では環境も異なるため、病院だけのリハビリとならないような工夫をされているのが印象的でした。
また、足がすくむことをネガティブに捉えている方も多いため、「〜できない」というネガティブな評価だけでなく、「何ができるか」と言った視点も持ちながら、ポジティブとなるような評価をしているというのは素敵ですね。


▼ディスカッション②「すくみ足ってどう介入する?」

2つ目のテーマは、「すくみ足ってどう介入する?」
評価を話し合った後ということもあり、皆さんの頭には、自身の普段の臨床でのことが沢山浮かんでいたようで、話は白熱!
予定していた20分を超えて、沢山の意見が飛び交いました。

2つ目のテーマの、ディスカッションの一部をご紹介します。
・姿勢を正中に戻すよう介入する
・歩行開始時の出す足を決める、または一旦横に出してから前に出すなど、一歩出す前のルールを決めて練習する
・注意散漫にならないよう、好きな音楽や環境を交えて実施する
・すくむことを失敗経験と感じている人が多いため、成功体験を多く感じてもらうようにする
・LSVTの要素を取り入れて大きく動く意識づけをする
・すくみ足が出た際、転倒してしまった際の対応を確認する
・自宅での環境を再現した状態でリハビリを実施する
・患者様自身ですくみ足の出るタイミング、対処を考えてもらい実施する
・今まで有効だった環境調整も時間が経つと変化していることもあるため、毎回自宅の環境も今の状態と合っているか確認する
・服薬の状況、小銭が出しづらくて困るなどの細かい環境を確認し、アドバイスをする

その場のリハビリだけにとどまらず、自宅の環境や生活環境も加味したリハビリテーションをされていることがとても印象的でした。
セラピストの皆さん一人一人の工夫が、多くのパーキンソン病の方の生活の貢献しているのだなと感じました。

▼特別ゲスト!

PDリハビリ研究所の強みは、当事者の皆さんの声を沢山吸い上げられること!
今後、当事者の方と繋がるイベントを開催予定だったのですが・・・
まさかの、第1回の当事者のる〜みんさんが参加くださいました!!

ご自宅の環境調整の面白い工夫。
病院と自宅の違い。
生活の中での困りごと。

などを赤裸々に語っていただき、セラピストの質問にも答えていただきました。
参加者の皆さんも、「へ〜」「ほ〜」と真剣に聞いていました。

▼すくみ足の論文と症例紹介

外部講師として参加いただいたいている太田さん、また修士課程中の山口さんによる、パーキンソン病の論文や症例についてご紹介いただきました。


◉山口さんの論文紹介

今回はすくみ足について、2つのレビュー論文を紹介しました。
一つ目の内容はすくみ足の病因についてでした。パーキンソン病では大脳基底核の障害により歩行の自動性が低下することで、認知・情動負荷がかかった際に出現しやすい事や姿勢制御の障害が関係しているという内容でした。
二つ目の内容はすくみ足のリスクファクターについてで、疾患の罹患期間や姿勢不安定型のサブタイプ、うつなどが因子となりやすいというものでした。


◉太田さんの症例紹介

今回の飲みトークのテーマである"すくみ足"を呈したパーキンソン病の方の事例報告を行いました。内容はすくみ足に情動的側面が関与していた事例に対する認知行動療法の試みといったものです。前半は事例の理解に必要な知識について、すくみ足の定義から皆さんと共有しました。
すくみ足の定義を共有したのは、
「すくみ足は運動を実行しようとする“意思”に関連する」
という定義が重要であるという認識を、前提として持って頂く必要性があると考えたためです。基盤となる運動障害だけでなく、情動的な側面の影響を多分に受ける可能性があるという事です。
事例の方は、すくみ足に対し“恐怖感”や“駄目”など、負の情動を抱いており、負の思考(言語)が紐づけられ、学習が進んでいる状況でした。対象者との対話を通して、負の言語の使用を制限することや、すくみ足が出現後への対応方法に意識を向けることに重きを置いた介入にて、屋外歩行が自立に至りました。
すくみ足への介入は、病態に即したテーラーメイドな介入が必要であると考えます。

▼その他論文のご紹介

「飲みトーーク」開催中には、ディスカッションの中で出た症例に関する論文等を参加者の方がご紹介くださいました。
日々の臨床に役立つ知識が身に付く論文でしたので、論文をご紹介します。

紹介された論文は下記。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1474442211701430
https://doi.org/10.1186/s40035-020-00191-5
http://www.idac.tohoku.ac.jp/idac2014_se/ja/joint/product/pdf_h22/22-23.pdf

▼次回予告

次回の「飲みトーーク」は!
11月20日(金)20:00〜22:00で開催致します。
テーマは「腰曲がり」!!

参加希望者は、下記よりお申し込みください。
https://peatix.com/event/1690518/view


特典として、「飲みトーーク」にご参加いただいた方は、PDリハビリ研究所に初月無料で入会いただけます。
PDリハビリ研究所の詳細は下記。
https://note.com/pdrehalabo/n/nd7391384f8e2


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