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No.940 鍼治療後の私の身体感覚  その(2)

9月12日 日曜日
鍼治療の2回目が終わって一日経った。
足裏の痺れが昨日よりも薄れていることを実感する。

面白いことに昨日は左足の感覚が鈍く、足が大地とつながっていない感覚だったのだが、痺れの感覚が薄くなればなるほど、右足の感覚の方が鈍感であることに気づく。

繊細に足裏へと注意を向けていたつもりなのだが、痺れの感覚がその繊細さをブロックしていたのだろう。
今は左足が右よりも大地を踏み締めている、そんな感じだ。

少しずつ変化が訪れている。それは恐らく私の気づきが足裏だけでなく身体全体へと向かっているからであろう。

痺れがひどい時には注意を向けようと思っても不快感の方が勝って注意を向け続けることができない。

そして気づきを得ることが難しい。

これはフォーカシングで言う、感覚へと巻き込まれている状況であり、不快感が私の全てを覆い尽くしているために気づくことが難しいのだ。

今はその不快感は私の身体の一部にある不快感となり、少し距離を置いてそこへと注意を向けることができる。

これにより私はその不快な感覚にある気づきを得、その痺れがどのように私の身体全体に存在するのか、どんな種類の痺れなのか、その痺れはどんなメッセージを持っているのか等々を知ることが可能となっている。

9月15日 水曜日
足裏の痺れが薄れればそれだけ他の部分の違和感へと気づきが向く。
両足の重さやだるさに気づく。足全体がズーンと重たい。そして足から身体全体へと痺れる感覚がある。
それはビブラートのように微かな震えを伴っている。

震えは身体全体へと拡がりながら、頭の天辺から骨盤のあたりまで伝わる。骨盤から下へとスムーズに繋がらない感覚だ。
やはり足全体だけが別物のようだ。

特に指先が鈍感である。痛みを感じるのではなく、ぶ厚い皮膚の上から指先を触っている感覚だ。

9月17日 金曜日
確実に足裏の痺れは薄れている。それは歩いている時の足裏が地面に着く感覚からもわかる。

分厚く、鈍い感覚も次第に薄れている。
痺れは薄まっているがそれと共に足全体の重たさに気づき始めている。

骨盤から上と下では身体の感覚が大きく違っている。
骨盤から上の上半身はどちらかと言えば軽やかさを持って存在している。

骨盤から下の下半身は自由さがなく、動きがとても重くて鈍い。

もしかしたらこのことは今な始まったことではなく、以前からずっとそこに住み続けている症状なのかもしれない。

9月18日
3回目の鍼治療が終わる。
先生に私の痺れの原因を聞いてみた。

私の痺れの原因は、
神経を取り巻く筋肉が硬くなっていることにより、神経が敏感に反応しているとのこと。

そして、この鍼治療の目的は鍼を入れることでその筋肉をほぐし柔らかくすることにあり、それにより筋肉に当たっている神経が敏感に反応しなくなるということだ。

治療が終わった感覚としては、
足全体の重たさやぎこちなさは左側が以前よりもスムーズになっていることに気づく。

そして、右側は左側に比べて重たく、動きがスムーズではないことに気づく。

鍼灸の先生が言うには、
「左右を同じように施術し同じようなバランスにすることはやらないのと何ら変わらない。7:3くらいのバランスで施術することで自然と身体がバランスを取るようになる。」
とのこと。

言っている意味は感覚的にはわかるような気がする。

このことを思考で理解しようとするとなかなか難しい。

私たち生き物が本来持っている自然治癒力を考えた時、

人工的に左右を同じバランスにしたなら自然治癒力の働きようがないのではないか。

どちらかを正常に近づけることでもう一方もその影響を受けて整っていくのではないか。

また、気づきという面からすると、左右が同じ感覚であれば気づきが起こりにくい。

左右のバランスが違うことでその比較として左側が軽くスムーズであるという気づきを得ることができる。
これによりこの意識は右側のバランスへと大きく影響するのではないか。

そんなことを推察している。

この答えは出るのか出ないのかわからないが、身体に注意を向けながら日常生活を送ってみたいと思う。

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