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日本で認知されていない? 5月25日は「オタクプライドデー」

みなさま、ハッピーオタクプライド!

Instagramで…

 私が「オタクプライドデー」の存在を知ったのは、Instagramでの出来事だった。私のInstagramのアカウントには、世界で国を超えたフォロワーがいるが突然 GeekPrideDay という綴りのタグが話題になったことがあり、それがきっかけだった。

このプライドデーは、欧米で始まり、ネットを介して世界中に広まったアイデンティティ尊重とオタク文化の促進のイニシアティブとなっている。

 Geekというのは、英和辞書によると日本語の「オタク」とは少し違えど概ね相当する言葉であり、変わり者、個性が濃い人、社会とかけ離れたような才能がある人、特に技術系・機械系・職人系、コンピュータ系のオタク、ゲーマー、文化系オタクであると説明されている。そして、「一つの分野に卓越した知識を持つもの」という説明もあった。

 欧米でその用語の立場にある人はスクールカーストの下位にある立場でもあり、そこの繋がりではガリ勉屋の「ブレイン」、ゴシック系の「ゴス」、ほぼ広汎的に日本語のオタクに近いような「ナード」がいる。概ね「体育会系じゃない人」が占めている。
 これらはスクールカーストの下位にいるためいじめや憎悪の標的にされたり、不当な差別的な扱いを受けたり精神的に追い込まされたりといった被害に遭いやすいが、それは欧米だけの話ではなく日本における社会的カーストにも当てはまるような事象である。
 それらの差別解消の目的としてもこの日の働きがある。

No More オタク差別 オタク・ライブズ・マター/Geek Lives Matter

 とあるネイティヴアメリカン系のフォロワーからは、以前「日本オタク」(現地でWeeaboo(※1)などとよばれる)の黒人が日本作品の衣裳を着ている最中に警察官に射殺されたという悲しい事件で、それこそBlack Lives Matter(※2)といわれるものとオタク差別解消に向けた動きが連携して、さらには別の方面ではゲーマーゲート論争とコミックスゲート論争で受けた差別をも想起されたのもありオタク差別やめようと声を上げるように繋がっていった流れがあった事を教えてくれた。

(※1)発音はウィアブーに近い。やや軽蔑的だが、自称する場合もある
(※2)黒人の命も大事だ。人種差別にまつわる運動。反差別運動のはずが、ネイティヴアメリカン系のフォロワーさんがその運動のごく一部の過激派が暴徒化することが問題で、それが負のイメージになりかねないと残念がっていた

 日本におけるオタク差別といえば、1980年台のひらがなおたく時代のメディアにおける大衆を煽った報道による「犯罪を犯す人類」などのイメージを植え付けられた時代、「オタク狩り」で恐喝にあわせられるケース、文化表現活動に対するSNSでの表現狩りなどが挙げられている。

 「犯罪を犯す人類」のイメージを植え付けられたのはアメリカにおけるコロンバイン銃乱射事件も同じ流れを汲んでいたそうで、ただ一つの負の事象だけしか見ていない偏見と憎悪により、集団でマイノリティをおとしめているモラルパニックによる差別が行われていた。これはオタクだけではなく、LGBTQやこころの障害当事者が受けているものにつながる。

 それらの事象があったため、LGBTQ+などジェンダーにおける差別撤廃や人種差別撤廃のようなオタク差別撤廃も啓発するようになった。

スターウォーズとSFとサブカルと理系の日

 当初、オタクプライドデーはさまざまな理系の記念日やコミックスの記念日から派生して知られている。5月4日にはその関係の記念日は「スター・ウォーズの日」という草の根運動があり、さらにスターウォーズ第1作目が公開されたという「誕生日」の5月25日をスターウォーズの日と宣言したロサンゼルス市議会がきっかけで、他のギークカルチャーの記念日で、「銀河ヒッチハイクガイドの日〜SFの日:タオルの日」と「ディスクワールドの日:ファンタジー作品の日」も融合したためこの日を「オタクの日」と呼ぶようになったと言われている。なんと、日本でも「ターミネーターの日」がこの日であるため繋がっている。もはや祝日ではないけど「第二の文化の日」というべきだろうか。

 2006年にはスペインでさまざまな文化的多様性を啓発するためにブロガーたちがプライドデーを開催したのが好評だったのか、年が進むにつれて、スターウォーズやファンタジーもの、SF作品のみならずゲームやコンピューターにまつわる事象、日本のアニメ作品や萌え文化、Kawaii文化、そして各国のサブカルチャーも受容されていき、世界中のオタク文化を享受するようになった。

 文化的マイノリティの多様性にも、ハッピープライド。

 

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