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「グラン・トリノ」に狼男のエキスを注入してみたら・・・名作誕生

老いたベトナム帰還兵のイメージと言えば偏屈で人嫌い、信念をもって行動し脅しには屈しない。これはクリント・イーストウッドのグラン・トリノによるところが大きいのだけれど、80年代の帰還兵ならばスタローン「ランボー」だろう。ベトナム戦争にアメリカが本格的に介入したいわゆる北爆が1965年で、アメリカの全面撤退が1973年だからランボーが仮にこの最後の年にベトナムにいたということにすると、映画の舞台1982年はおおよそ10年後と考えて辻褄も合うものの、この時スタローン36歳であるから、「老」の印象は当然無い。一方グラン・トリノは2008年に公開されておりイーストウッド78歳なので、これぞ「老いたるベトナム帰還兵」だ。前置きが長くなったが、今回お奨めしたいのが「ローンウルフ 真夜中の死闘」(アドリアン・ガルシア・ボグリアーノ監督、2014年)というなんともB級感あふれる邦題をもつ一作。現代はLate Phaseだから最終局面とかそんな意味だろうか。しかしこの邦題は本作が実際良い意味でB級なため私は賛成する。グラン・トリノに狼男が登場する映画と言うのが一番伝わりやすいと思うのだがどうだろう。さらに主人公の老いたるベトナム帰還兵は盲目なのだが、これが座頭市のように盲目ながら切れの良い体捌きを見せる、という設定ではなくあくまで普通の人なのも良い。
だれか観た人おらんかな?


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