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アジア発のイノベーションを生み出すために必要な取り組みとは

※このインタビューは2022年12月6日に収録されました。

プライバシーへの関心が高まるに伴い、テクノロジー企業も幅広くプライバシー対策を始めています。

今回はマイクロソフトアジアでセキュリティとプライバシー戦略のトップを務める、マンダナさんにマイクロソフトのセキュリティやプライバシーついての考え方とアジアの可能性についてお話をお伺いしていきたいと思いま
す。

マイクロソフトが推進するアジア戦略とは

Mandana: わかりました。これまで何十年もアジア圏は世界の工場として重要な役割を担ってきました。ただ、既に工場としてだけの役割は終わり、”Made in Asia” という生産するだけの役割から、新しい付加価値を付けた “Born in Asia” が今後の主流になっていくと考えています。

独自性や知識が発展することで、全世界のイノベーションを担う重要な地域へと変わっていくことになると思います。アジア圏のGDPは2050年までに世界の半分近くを占めることになり、より重要な地域へと変わっていくはずです。

研究開発でも多額の投資が進んでいて、2030年までに研究開発投資の半数を占めることになります。私たちはアジア圏の今後の経済成長に対して、非常に期待しています。成長市場に向き合っていくことによって、私たちにとっても大きな機会をもたらしてくれることになります。

信頼作りは長い年月がかかるため、セキュリティ対策に加えてプライバシー保護についての取り組み、責任あるAIに関連した動き等に取り組んでいます。そして、多様性や包括性についても進めているところです。

政府と連携した率先した動きや、民間でのスキル開発支援に加えて次世代の技術者育成に向けた取り組みの後押しも始めています。私たちは多様な才能が活躍できるような環境の整備を進めているところです。

新しい才能が長く活躍できるような機会を提供することを率先しています。私たちは11の地域で20のデータセンターを抱え、クラウドインフラを強化しています。インド単体で、5年間を通して150万人の雇用を生み、経済に貢献しています。

インフラ開発以外にも、マレーシアやインドネシア、台湾を始めとして2025年までに210億以上の収益を上げ10万人の雇用を生み出すことを目指しています。地域内での雇用早出に寄与することが重要です。

それ以外には、スタートアップ育成がとても重要な要素になると考えています。アジア圏は世界で最も若いデジタルネイティブが活動する地域へと変化していくことになります。

そして、新しい世代の利用者はモバイルが中心で、ソーシャルメディアの知見に長けており、オンラインショッピングや電子決済が当たり前の世代になります。これからの技術要素はアジア経済のDNAとして機能するため、アジア圏が世界のハブとして機能することになると考えています。

中国やインド、韓国は世界のトップ10ユニコーン排出国になっており、マイクロソフトはこういったスタートアップを私たちが提供するクラウドやデータ、AI、セキュリティやプライバシー等のテクノロジーでサポートできるような環境づくりを進めています。彼らのビジネスが安心で安全な状態での運用につながることが必要ですね。

アジア発のイノベーションを生み出すために必要な取り組みとは

ここまで紹介してきましたが、これはとても大きな動きの一つです。私たちはアジアでと呼ばれる取り組みを立ち上げ、アクセンチュア等のパートナーとも連携して取り組みを進めています。

アジア圏の成長は社会の多様性と包括性、そして持続可能性にかかっていると思います。これはマイクロソフトが重要であると考えているテーマにフィットしているのです。私たちがアジア圏で掲げているミッションは、信頼できる関係性を作り各地域の発展に貢献し、それぞれの地域でのイノベーションに寄与することです。

このミッションを実現するためには、公共部門と民間部門が協力して取り組んでいくことが必要になります。マイクロソフトでは、各国地域での展開をこれまでに30年以上進めてきています。現在はアジア圏の23地域でサービスを展開しています。

人材面でも、3万人のスタッフが販売、マーケティング、オペレーション、エンジニア、開発者として活躍し、各地域のマーケットでお客様と向き合っています。自社の取り組みだけに限らず、エコシステム全体の発展に向けて1,000のパートナーと各地域で連携し、大規模な研究センターを米国以外で、中国とインドに設立しています。私が先程話をした信頼の構築に向けて少しずつ進んできています。

私たちは信頼関係を構築するために、様々な取り組みを優先的に進めています。プライバシー保護やサイバーセキュリティの脅威に対して対応していくことが、私たちにとっての重要事項の一つです。

最後に、より多様な人材と協力して活動を推進していくために、2022年初期からASEAN地域の人材を支援する取り組みを進めています。アジアのサイバーセキュリティスキリングプログラムでは、インドのCyberShikshaaと呼ばれる活動を伝統的な性別による分断を越えて、若い女性がサイバーセキュリティの技術トレーニングやメンバーシップに参加できるような取り組みを始めています。

(動画:Cybersecurity Training Program for Beginners)

マイクロソフトではスキル開発の機会提供と多様な人材の支援も進めています。特により多くの若い多様性を持った人材の活躍は新しい市場を作っていく上でとても重要なのです。現在は十分な人材がまだまだ足りていない状況で、人材不足の問題は優先的に取り組むことが大切です。

ここまで紹介してきたことについて、私たちは取り組んでいます。

企業のDNAとしてプライバシーを考えることが必要な理由

Kohei: 今日の対話を通して、とてもワクワクすることが多いと感じました。マイクロソフトが取り組む次世代のデジタル環境に対する取り組みは、安全性と安心を提供するために必要な要素であると感じています。

マイノリティの人たちが参加できる機会を準備することは、非常に素晴らしい動きだと思います。様々なステークホルダーとの連携も必要になっていくと思います。新しい動きに注目していきたいと思います。最後に、皆さんへのメッセージをお願いしてもよろしいでしょうか?

マイクロソフトの活動は、複数のステークホルダーとの連携を軸にしてより良い環境作りにつながっていると思います。視聴者の皆さんに向けて、メッセージをいただけると幸いです。

Mandana: 私たちが掲げているミッションこそが伝えたいメッセージです。私たちのミッションは全ての個人や組織が実現したい何かを後押しすることです。私たちが取り組んでいることは、どのようなテクノロジーを採用したとしても、ミッションに沿って実現すべきことに紐づいています。

私たちがミッションを達成するために大切にしている取り組みがあります。私が始めに紹介したように継続して信頼を構築する活動を大切にし、漏洩等によって信頼を失う事の無いように取り組むことです。

私たちが取り組む全てのことに対してセキュリティとプライバシーを組み込み、組織のDNAとしてプロダクトデザインや開発、そしてお客様やサプライチェーンを提供するパートナーとの連携において、セキュリティとプライバシーを最も重要なテーマとして推進していくことも重要なミッションです。

最後に全ての人にとって安全で安心な環境を作り上げてくことに取り組んでいます。こういったことを軸に、全世界で率先してミッションを実現するために取り組んでいます。

Kohei: とても素晴らしいメッセージをいただき、ありがとうございました。マンダナさんの取り組みにはとても刺激を受けました。頂いたメッセージはプライバシーやセキュリティ関連のコミュニティの皆さまへ伝えていきたいと思います。

今回は素晴らしいお時間を頂きありがとうございました。これからも未来に向けて新しい動きを推進していきましょう。

Mandana: ありがとうございました。とても関心のあるテーマだったので、とても楽しい時間を過ごすことができました。プライバシーについて幅広く知見を共有することができ、また次回こういった機会でお話しできることを楽しみにしております。

Kohei: ありがとうございました。

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Interviewer, Translation and Edit 栗原宏平
Headline Image template author  山下夏姫

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