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Privacy Talk

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「Privacy Talk」は、Privacy by Design Labが日本のプライバシーバイデザインの先駆けとして立ち上げた、国内外の専門家のインタビューメディアです。 デ…
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2022年3月の記事一覧

データ保護に不足している尊厳とデザイン

デジタル社会の中で、個人の尊厳を守ることが次の大きなテーマとして議論が始まっています。 今回は欧州データ保護監察機関(EDPS)でディレクターを務め、欧州のデータ保護制度を現場で推進しているレオナルドさんに、これまでのデータ保護法の歴史とデジタル世界の尊厳に関して、お伺いしていきたいと思います。 デジタル主権がなぜ必要であるのか Leonardo:ありがとうございます。今、私たちが直面しているコロナ禍で二つの問題が生まれています。一つ目が、私たちの社会での相互依存の問題で

GDPRが生まれた背景と未来へのデジタル政策

GDPRが施行されて以来、データを取り巻く環境は大きく変化し始めています。 今回は欧州データ保護監察機関(EDPS)でディレクターを務め、欧州のデータ保護制度を現場で推進しているレオナルドさんに、これまでのデータ保護法の歴史とデジタル世界の尊厳に関して、お伺いしていきたいと思います。 Kohei: 皆さん。今回のPrivacy Talkはベルギーブリュッセルにある欧州データ保護監察機関(EDPS)からレオナルド・セルベラ・ナバスさんにお越し頂いています。 本日は未来のプ

データがオープン化することで生まれるプライバシーの限界

ブロックチェーン技術が社会全体に普及するためには、データ保護規制と向き合う必要があります。 今回はドイツ銀行のシニアカウンセルとして法務業務に携わり、ブロックチェーン等の法制度にも詳しいマティアスさんに今後の動向をお伺いしていきたいと思います。 前回の記事 ブロックチェーンが直面する私たちの「忘れられる権利」Matthias: データ主体(ユーザー等)が自身の権利を行使することがとても難しくなりますね。先ずは、ブロックチェーンに書き込まれたデータへのアクセス権の話です。