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Privacy Talk

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「Privacy Talk」は、Privacy by Design Labが日本のプライバシーバイデザインの先駆けとして立ち上げた、国内外の専門家のインタビューメディアです。 デ… もっと読む
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2021年1月の記事一覧

越境データに向けられる欧州の懸念と国際的議論

デジタル空間では新しいルールメイキングが始まっています。これまでオープンだった空間で、事業者に対して様々な責任を要求する動きがあります。 後編は各国で議論が始まっている越境でのデータ移転と欧州と日本の今後に関してお伺いしていきます。 インタビュー前編はこちらからお読みください。 「自由を奪われたインターネット自治に向き合う欧州」 信頼できるデータサービスとはGaelle: 先ほどの(データサービスの開発の)話題に戻ると、ウェブにおける活動量が増えると、匿名のIDであった

自由を奪われたインターネット自治に向き合う欧州

デジタル空間では新しいルールメイキングが始まっています。これまでオープンだった空間で、事業者に対して様々な責任を要求する動きがあります。 インタビュー前編は、欧州で議論されてきたデジタル政策と国際的な変化に関してお伺いしていきます。 Kohei: Privacy Talkにお越し頂きありがとうございます。本日はベルギーのブリュッセルからGaelleさんとお繋ぎしています。 彼女はこれまで欧州のデジタル政策に長く関わっています。今回は政策の専門家として欧州のデジタル規制

市民がインフラを管理する自己主権型IDモデルへ

デジタル空間はオンラインから徐々にオフラインへと移行が始まっています。デジタル技術によって日々生活する市民がどのような恩恵を受ける事ができるのかというのが一番のポイントになります。 インタビュー後編は、新しいIDによって私たちの日常の変化に関してお話を聞いていきたいと思います。 自己主権型IDは、市民同士の関係性を変える Rob: ここまで紹介してきた自己主権型のIDを活用すると、新しい個人間の関係構築にもつなげていくことができます。そういったIDを導入していく中で、大き

自己主権型IDによって訪れる未来

私たちの活動領域はオフラインからオンラインへと移行し始めています。オンライン上で実現できる個人のアイデンティティはより一層重要な役割を担っていく事になります。 インタビュー前編は新しいIDによって訪れる未来の話を聞いていきたいと思います。 Kohei: みなさん、プライバシートークにお越し頂きありがとうございます。今回はIoT分野の専門家Robさんをお招きして、デジタルIDとデータガバナンスに関してお話していきたいと思います。 なぜRobさんと話そうと思ったのかKohe

デジタル広告は、ユーザーの体験改善という攻めのプライバシーへ

インタビュー前編はこちら。 「広告ビジネスはどのようにプライバシーを取り込んできたか」 Kohei: ありがとうございます。ここからは次のトピックに移りますね。 IABタスクフォース立ち上げの背景Kohei: IABでのこれまでの活動について伺えると嬉しいです。欧州でIABタスクフォースに取り組んでいたそうですが、そこではどういったことをしていましたか? Tim: そうですね。冒頭にお伝えした内容にありますが、新たな産業を作るための議論のプラットフォームがなかったこ