過去 7

母子寮って何だろうと疑問だった。到着すると、普通のマンションかと思った。
中に入ると、各家庭のポストがある...けどもう一つそれぞれの靴箱が用意されていて土足厳禁だ。しかも職員室のような部屋があり、この寮に住んでいる寮母さんもいた。

みんな優しそうな先生ばかりで安心はした。
部屋は3DKで私は1人部屋を初めてもらった。
父親の居ない生活、あの同級生達と会わなくてよくなった環境に嬉しくてたまらなかった。

ただ、一つだけわがままを...。お風呂が共同だったこと。時間に間に合わなければ近くの銭湯に行かなければならなかった。でもここに一生住むわけではない。今までの生活を考えればきっと「楽しい」が多いはずだと自分に言い聞かせた。

2回目の転校はさすがに緊張だった。不安だらけだった。学校を黙って去って役半年が経とうとしていたからだ。中1の終わり、初めての登校日。何だか今までとは違う雰囲気を感じた。私にはまだそれが分からなかった。
クラスで自己紹介を済ませると1人の男子が「きんこ」と叫んだ。私はまた?と嫌な気持ちが蘇ってくる。「菌子?」すると「きん子」らしい。何故か?...鼻が上に向いてる男子が「きん太」だから私も鼻の向きが上なので「きん子」らしい。バカバカしい!!無視をするしかなかった。それでいい!強くならなければと決心した。
女子が集まってくる。家が近い子と仲良くなれた。初めての体験に戸惑いもあったが、最初の雰囲気が違うのが何故かやっと分かった。

みんな、大人っぽく前の中学校とは全く違う、場所的に1時間ぐらいしか離れていないが前の住んでいた町よりも都会に見えたし、中1とはいえ、お洒落に気をつけたり、話している内容も恋愛話などだったりと大人びていた。

先輩の女子、男子も綺麗な人やかっこいい人もたくさんいてファンクラブができる男子の先輩もいた。

ただ、この学校にもいじめはあった。
同じクラスの1人の女子が男子から飛び蹴りをされていた。あまりの酷さに言葉がなく、周りの子は見て見ぬふり。

私は彼女に駆け寄ったが大丈夫?しか声をかけれなかった。
でもある日思い切って言ってみた。先生にちゃんと言おうと。でも彼女は嫌がる。私はどうしても彼女を助けたかった。
が...あっという間に中1も終わり彼女とクラスも違い校舎まで変わってしまい会うことも無くなってしまった。

それでも時々会えば声をかけていたが彼女は何だか迷惑そうだった。

私自身、学校生活をそれなりに楽しんでいたが中3になると様子が変わった。女子の分裂だ。
名前をつければ恋愛、お洒落、悪口組とほのぼの組の真っ二つに分裂だ。私はほのぼの組。
でも何故か私がいつも相手の組の子達に悪口を言われ無視をされた。全く理由がわからない。
でも必ず仲の良い友達が気にしなければいいよと優しくしてくれた。正直、心の中では疑問とまた前のようになるんじゃないかと不安だった。時にはヤンチャっぽい男子も混じり嫌味を言われる。それでも前の事を思うと楽だった。

ちゃんとわかってくれ、かばってくれる男子女子もいてくれたから。何よりも転校してから仲良くなった子とクラスが違っても行き帰り一緒だったし、小学校で再開した、ゆいとも約束通り連絡をとってしょっちゅう会ったり、電話でよく長電話をしていた。転校してからはそれなりに楽しい中学校だった。



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