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親ガチャという言葉

少し前ではありますが、若者たちの間で「親ガチャ」や「遺伝子ガチャ」、「環境ガチャ」などの言葉が使われるようになりました。
ガチャ」とは、いわゆるガチャガチャのことで、何が当たるかは運次第ということです。

そのガチャというものが、自分の人生に関わるものにも使われるようになり、生まれた言葉です。
つまり、人生は生まれ持った能力や環境で決まるという考えです。

確かに、遺伝子や環境が大切なのはその通りだと思います。
遺伝子がなければ親子の顔は似たりしません。
また、平和な日本という国に生まれたことも、ある意味で運が良いことでしょう。

とは言え、この考えの全てを肯定することはできません。
なぜなら,生まれ持った遺伝子や環境が全てなのであれば,逆説的に遺伝子と環境さえコントロールすればどんな人間でも作ることができると言えてしまうからです。
単に、他の人より勉強や運動ができる程度ならまだしも、凶悪な行動に関わるような人間も作れてしまうわけです。
そんなことを認めて良いわけがありません。

では,なぜこのような言葉が横行してしまうのか。
一つは、単なる冗談
もう一つは、全ては運だと思ってしまうほど現状が苦しい、ということです。

恐らく,多くの人が後者の考えをスルーしているように感じます。
何をやっても上手くいかない、結果がついてこない、そうした負の要因が積み重なって、現状に絶望してしまうのです。
子どもが、現状に絶望した時に、支えるのも父親の役割りかと思います。

そうした気持ちに対し、「みんな同じだ」、「甘えるな」と言うのは,いささか乱暴なように思います。
本人は頑張りたいのに、頑張れないわけですから。
誰だって、頑張ることが重要だと知っています。
人生は運で決まるなどと、本気では思っていません。
しかし、そう思わせるほどの苦しい体験が、世の中には蔓延しています。

子どもを甘やかすことと、突き放すことは違います。
まずは、子どもの気持ちを受け止めましょう。
受け入れ懐の深さに、父親としての度量が問われているでしょう。


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