【投資ノウハウ】新生活応援銘柄! 春のアノマリーとは?
3月は出会いと別れの時期と言われます。卒業や人事異動をはじめ、学校・企業・官公庁などの引越しなどもこの時期に実施されることが多く、新生活を控えて忙しくなる月でもあります。
そこで今回は、新生活応援銘柄と題し、入学や進級、就職や転勤など新生活に向けた準備で注目される銘柄をみていきましょう。
・4月は株高の傾向
まず、この時期の日経平均株価の傾向を簡単に紹介したいと思います。下の表をご覧ください。
この表は、1981年~2020年まで40年間の日経平均株価の月別陰陽確率です。月別陰陽確率とは、月初と月末の株価を比較し、月末の株価が高い時を陽線(○)、逆に安い時を陰線(●)として、出現確率を示したものです。
例えば、4月の○の段が65.0%となっていますが、これは過去40年間で、4月の日経平均株価は、月初より月末の方が高かった(陽線)確率が65%ということです。
この表をみると、4月、11月、12月が65%を超え、3月と6月も57.5%とやや株価が上昇する傾向があることが伺えます。
これはあくまで季節的習性(アノマリー)なので、なぜこのようになるかは推測の域を出ません。ただ、6月、11月、12月が株高の傾向がある背景には、ボーナスの支給が関係しているとの見方があります。また、3月は配当金・株主優待目当ての買いが入りやすいと言われます。
ただ、年度末で機関投資家がポジションを一旦閉じることや、株主の権利を得られる権利付最終日が3月の最終営業日の前々営業日(今年は3月29日)なので、それ以降は株価が下落する傾向があります。
4月は新年度に入ることから、年金や投資信託などの機関投資家が新年度予算を背景に買いに動き出すためと推測されます。
いずれにせよ、確率的には、3月、4月というのは、株式投資をするタイミングとしては悪くはないです。
狙い目の銘柄は?
3月、4月は、株価が上昇しやすいのが確認できたところで、次に新生活関連ではどのような銘柄が上昇しやすいか考えていきましょう。
新生活と言えば、最初に思い描くのが引っ越しです。
3月、4月は進学、就職、異動で引っ越し業界は繫忙期を迎えます。
【引っ越しに関連】
ヤマトホールディングス(9064)は注目されます。新居、新オフィスという観点では、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)なども物色の対象になりそうです。
【人の移動に関連】
また、人も動くので、JR東日本(9020)、JR東海(9022)、日本航空(9201)、ANAホールディングス(9202)なども面白いです。
特に今年は、3月下旬に一都3県の緊急事態宣言が解除される可能性があり、その場合はアフターコロナ需要と相まって買い意欲が高まることも予想されます。
【新生活必需品に関連】
引っ越しとなれば、新たな家財道具や日用品も少なからず必要になります。「お値段以上・・・」のフレーズで有名なニトリホールディングス(9843)、大塚家具を傘下に入れたヤマダホールディングス(9831)、そして、今年1月から家具のサブスクリプションサービスを始めた良品計画(7453)、などが注目されます。
特に良品計画は、コロナ禍の中、日用品の価格見直しやリフォーム事業の拡大など、積極的な施策を打っており、一部の証券会社は目標株価を引き上げています。
【D I Yに関連】
また、事業者だけでなく、DIY派にも絶大に人気を持ち、急成長を続けるMonotaRo(3064)も物色の対象になりそうです。
【新生活関連その他】
先日、日本郵便との業務提携を発表した楽天(4755)も、コロナ禍の中の新生活という意味では、ニーズが高いとみます。
【衣料品に関連】
家具が揃えば、次は中身です。この時期、衣料品関係の銘柄も注目されます。「自宅で試着、気軽に返品」をキャッチコピーとしている靴やファッション通販のロコンド(3558)、3月15日に2021年2月通期の連結業績予想で最終利益を前年比約2倍に上方修正した、しまむら(8227)、靴のエービーシー・マート(2670)、日本を代表する銘柄のファーストリテイリング(9983)などが物色の対象になりそうです。
春は、新生活を始める方に加え、新しい何かを始めようとされる方も多いと思います。
初めて手にする商品やサービス、そしてそれらを提供している企業の社会とのつながりや将来性に思いを馳せながら投資を考えると、新たな気づきや発見があり、この時期ならではの投資の楽しみ方です。春に始めた投資が、夏前に実を結ぶこともありそうです。
記事作成:2021年3月18日
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