<2023年6月>日米株マーケットの注目ポイント
FOMCの米金利政策が焦点に
<6月:米国の主要スケジュール>
6月の米国市場の関心は、13日から14日のFOMC(米連邦公開市場委員会)に注がれることになりそうです。6月のFOMCでの金利引き上げの継続を織り込む形で、5月のNYダウは月初の3万4000ドル台から3万3000ドルラインを下限とする調整相場となりました。
しかし、直近では、地銀の破綻を受けた金融システム不安から6月の利上げ休止に傾く可能性も取りざたされています。その判断のよりどころとなるのが、米国雇用統計やCPI(消費者物価指数)などの重要経済指標です。これらの内容次第で、株式市場は一喜一憂する展開にもなりそうです。
仮に、6月に利上げがない場合でも、7月のFOMC(25日~26日)で再び利上げとなるケースも市場では指摘されています。そのため、FOMC後の経済指標の発表にも注意が必要となります。
また、7月下旬以降本格化する4-6月期の企業決算の発表をにらんで、物色的には5月下旬に復活したIT関連株への買いが継続するかどうかに関心が注がれることにもなりそうです。
日本では、「配当再投資」などから6月相場は強気の傾向も
<6月:日本の主要スケジュール>
6月の日本市場は、一般的に日経平均の上昇確率が高い月となります。6月21日を過ぎたあたりから3月期決算企業の配当金支払いが増加し、30日にピークを迎えることから「配当再投資」が相場の話題となります。
配当再投資とは、ファンドなどの機関投資家が配当金を現金化して受け取らず、そのまま株式の買い増し資金に振り分けることです。3月決算企業の配当の支払いは5月下旬から始まっていますが、6月末までの2023年の配当総額2023年3月期の今回の配当総額は企業の増配が相次いだことから、昨年を約6000億円上回る8.4兆円規模とも推定されています。
このほか、7月初旬に迎えるETF(上場投資信託)決算の分配金狙いの買いや、夏のボーナスを得た個人投資家の買いも入りやすい時期にあたり、これらが需給面での好材料として働くことが期待されます。
5月に日経平均は記録的な上昇を見せ、1990年8月1日以来、約33年ぶりに3万1000円台乗せを達成しました。海外投資家の買いが継続すれば、上昇持続の期待が膨らみます。
ただし、6月15日からの日銀金融政策決定会合と最終日16日の植田和男日銀総裁会見には注意が必要です。大規模金融緩和の継続を4月に打ち出している日銀ですが、6月会合もしくは7月の会合(27日から28日)で、緩和解除の修正観測も根強く残っています。緩和解除になれば、月後半は波乱の展開となる可能性があります。
6月中旬から月末にかけては3月期企業の株主総会が集中します。一般的に、この時期は会社側からは好材料が発表されやすい傾向があります。
記事作成日:2023年5月22日
PayPay証券株式会社
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金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2883号