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【投資ノウハウ】普及を推進する動きが強まっているEV自動車関連企業を分析!

■ 電気自動車には何が必要?

 脱炭素社会の名のもと、世界的に電気自動車(EV)の普及を推進する動きが強まっています。2030年のイギリスを皮切りに、多くの国々が2030~2040年にかけて、ガソリン車・ディーゼル車の販売を禁止します。

 日本も昨年10月に菅首相が所信表明演説で、国内の温暖化ガスの排出を2050年までに「実質ゼロ」とする方針を表明しました。これを実現するには、自動車の耐用年数を考えると、2030年頃から販売の中心がガソリン車・ディーゼル車からEVへ移り、2035年以降は自動車販売の多くがEVになることが予想されます。このため、株式市場でも、EV関連銘柄は注目の的です。

 EVでは、「エンジンと燃料」が「駆動モーターとバッテリー」に変わるなど、使用される部品にも変化があります。今回は、EVに使用される代表的な部品にスポットを当て、それらを研究・生産する企業をみていきましょう。

■ 駆動モーター

 EVの心臓部と言えるのは、駆動モーターです。この分野で、一歩リードしているのが日本電産(6594)です。日本電産は、欧州や中国の自動車メーカーを中心に駆動モーターを供給し、2019年からは駆動モーターにギアなどを組み合わせたシステム製品「E-Axle(イーアクスル)」を展開しています。同社は、ギアの技術・精度向上のため、2月5日に三菱重工の子会社で、ギアなどを切削・研削する機械を製造する三菱重工工作機械の買収に踏み切りました。日本電産はモーターなどの車載事業を成長の柱とし、2030年には車載用駆動モーターで世界シェア40-45%程度を目指すとしています。また、日本電産と同様に欧州、中国市場に力を入れているのが、明電舎(6508)です。同社は、今年の夏に中国でEV向けモーターの工場を稼働させる予定です。

 なお、テスラ(TSLA)や日産(7201)は駆動モーターを自社開発、トヨタ(7203)はグループ会社と共同で開発をしています。また、日立製作所(6501)や安川電機(6506)などもハイブリッド車への供給実績があります。

 モーター内部をのぞいてみると、中核部品にモーターコアがあります。モーターコアは、回転する部分ローターとローターを回転させるための力を発生させるステーターなどから構成されているモーターの心臓部です。この分野で抜きん出ているのが、三井ハイテック(6966)です。車載用モーターの約7割のシェアを持っていると言われています。

 
■ バッテリー

 駆動モーターと共に、EVで非常に重要視されるのがバッテリーです。現在、この分野でのリーディングカンパニーはパナソニック(6752)です。テスラ車にも搭載され、トヨタと合弁会社でリチウムイオン電池のメーカーも立ち上げています。自動車メーカーの多くは、合弁企業などを作り、車載用電池を生産しています。
 なお、この分野で注目されているのは、全固体電池です。現在、EVに搭載されているリチウムイオン電池に比べ、航続距離が長く、充電時間も三分の1程度に短縮されるとみられます。一部の試算では、普及が広がる2030年頃には約3分間の充電で250kmの航続距離を得ることが可能になるようです。全固体電池については、トヨタが多くの特許出願を行っており、2020年代前半に発売する車両に搭載すると明らかにしています。また、パナソニック(6752)や出光興産(5019)もこの分野に注力しています。

■ パワー半導体

 そしてパワー半導体です。昨年後半あたりから、「半導体不足で自動車減産」というニュースをネットなどで目にした方もいらっしゃると思いますが、ここでいう半導体とは、まさにパワー半導体です。パワー半導体は、交流を直流(インバーター)に変換、電圧を100Vや2Vに降圧するなどし、モーターを駆動、バッテリーを充電、また、マイコンなどを作動させ、電力制御や供給を行う半導体です。自動車には、パワー半導体が多く使われます。ガソリン車・ディーゼル車でも標準クラスで約30個、高級車になると100個前後のパワー半導体が使われています。EVでは、さらに多くのパワー半導体が使われることになります。

 この分野の世界的なトップ企業は、ドイツのインフィニオン・テクノロジーズです。しかし、日本企業も高いシェアを持っており、三菱電機(6503)、ローム(6963)、東芝(6502)、ルネサス(6723)、デンソー(6902)、日立製作所(6501)などが健闘しています。パワー半導体は、EVだけでなく、ロボット、鉄道などの電力制御から、太陽光や風力発電の直流・交流変換まで幅広く使用されることから、今後、需要の拡大が見込まれます。また、半導体製造装置を作る東京エレクトロン(8035)などにとっても追い風となりそうです。

■ 充電施設

 最後にEVの普及に欠かせないのが、充電ステーションです。現在、カーディーラーや高速道路のサービスエリアで、よくみかけますが、十分に設備されているとは言えないでしょう。しかし、EVの台数が増えれば、必然的に充電ステーションの数も増加するでしょう。この分野では充電器メーカーの東光高岳(6617)、ニチコン(6696)、パナソニック(6752)などが注目されます。

※本記事に記載された下記銘柄は2021年2月17日に追加予定です。
明電舎(6508)
三井ハイテック(6966)
東光高岳(6617)
ニチコン(6696)

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