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凡庸”映画”雑記「デデデデストラクション後章」ネタバレあるので気をつけて!!

待ちに待った後章が今日から始まったので、観てきた。

見応えのある作品で、最後まで楽しんで見ることができた。それなりに満足した。

前章での主人公たちの謎も明かされて、それも結構丁寧に詳しく。個人的にはそれに時間を取るよりも、もっと、宇宙人と地球人のあれやこれやを描いてくれなだろうかと、残念に思う。

相変わらず、あのちゃんの演技は素晴らしかった。今回は、彼女の独壇場。みたいな感じで、とても印象に残る。主人公の彼女の声が、ちゃんとしていたから、収集して見終わることができた一因だ。

彼女が、声優として生きていくことは、あれだけ売れているとないだろうが、いつでも、どこでも、どこかでも、ひょっこり現れて、超絶個性的で強力な演技を見せつけて欲しい。

前章は町の高校生の低い視線から、人類の存亡を見つめているから、平凡と非凡の落差が、絶望的状況を深く濃くしていたが、後章はそこに、大学生になり、否が応でも世間の状況で意識高い系の人々と触れ合ったり、離れたりして、描かれる。前半の平々凡々とした、たゆたう日常の中での、絶望が好きだったから、少し寂しい。

話の中で、明らかに原発事故の風刺や、政治活動家、政治家等の思惑の独善的な強引さを、率直に垂直に描いていて、これはこれで、ちゃんとした目的意識の表れなんだなあと、感心。しつつ、話が分散してそれた感じがした。

その辺に尺をとったせいか、そうじゃないかもしれないが、どうも気になるのが、侵略者として地球に現れた宇宙人。これが、終始どうも引っかかる。意図があるのかもしれないけれど。

兎にも角にも、徹底的に弱いのだ。

自衛隊にバンバン歌えて、撃墜されて、挙句、風通の一般人のお兄ちゃんい刺されて殺されて。一体あんなすごい宇宙船で、ましてや、侵略者として来ているのに、本当に弱い。いっさい武器らしい武器は持たず、ただ、逃げて殺されて、エイリアンやターミネーター、宇宙戦争の火星人とは、程遠い。興醒めしてしまう。

で、矛盾しているのが、戦争、戦闘が全くできない、そんな文化と物質がない世界の住人なのかといえば、十分人に危害を加えることができる機械を持っている。

物体をぶっ飛ばせたり、記憶を読んだり、ヘリコプター人間になったり、透明マントを持っていたり、駆使すればなんとか戦えそうなものなのに、それも、一大発起するとて、倉庫でとんでもなく集まり、偉いさんが(竹中直人がいい声なんだわ)が、今こそやるぞ!と息巻いていたのに、何にも準備することなく、ばかばかやられてしまう。

物質を動かせる棒みたいなものがあるのだから、撃とうとしている自衛隊をそれで吹き飛ばせばいいんではないだろうかと、見ながらふと思った。

勝手な妄想としては、一見か弱さそうな宇宙人が、地球人の凶暴性に対して、超高性能兵器を使い倒し、東京を日本を、そして、世界人類を滅ぼす。そう思っていた。

確かに抵抗はあるが、それは未来的な武器などではなく、それこそ、原発事故そのもの。

終焉だが、良くも悪くも完全に前章を裏切る。こう考えていたでしょう、でも、そうわいかんよと、したり顔が目にうかぶ。すごく愛に満ちた終わり方だったので、全くもって正しいのには違いない。

だけど、前半のあの、シンシンと降り積もるような絶望の行きどころは、いったいどうしてくれたんだ!と、正しくない我と我が身は、もどかしく心の中が吹き荒んだ。「渚にて」にはならんかっったなあ。

もちろん、いや、数と内容は圧倒的に後章の方が悲惨なのでけど、前章のたった一人の同級生の演出は、心底感情を揺さぶられた。その凄さは特筆すべきなんて、凡庸だけど、明確な賛辞を送りたい内容だ。それに比べ、多くの人や、主要な人々が亡くなるのだけど、予定調和としか言えず、平坦な気持ちで傍観した。

ぐだぐだと思いつきで書いてしまったが、あまり手放しで誉めてはいないが、正直、前章の方が切れ味の鋭く、見応えがあった。だけど、終始、満足し楽しめることができた。ヒットするかどうか、それは、微妙なところだと思う。だけど、消え去るのには、総合的に勿体無い。そんな、作品だった。

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