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凡庸”映画の日”雑記「デッドプール&ウルヴァリン」

デッドプール&ウルヴァリンを観る。

正直、つまらないとは言わないけれど、通り過ぎるのをただ見つめていた。乗り切れずに、立ち尽くしていた。そんな感じ。

一発目の(映画の)デットプールは気に入っていた。あの、疾走感が好きだった。軽妙とは言うには、憚られる下品なジョークと、容赦ない殺戮に、歓喜した。(ほとほと人間と言うのは、恐ろしい)

それを記憶してたので、今日、映画の日。普段よりはお得に鑑賞できる日。何を観るべきなのか、悩み抜き、選んだ。

間違いなく。制作予算。忖度なく容赦無く多動症の如く放たれる台詞の数々を編み上げた知恵と努力が垣間見える脚本。一片の慈悲のない上、残虐な陳腐さで笑いを誘おうとしている殺陣(アクション!)。何よりも、その出演料がちょとした国家予算になろうかと思える、豪華な俳優の面々。気合いが入っていると、感じざるを得ない。

そう、この一作に賭けているのだ。

こんな、15歳以上だったか、(確か?)そんな狭い相手に向けた映画に、こんだけ賭けて、どうするやろ。誰が責任持つのやろ?と、人ごとながら、心配になる。

で、初めに書いてしまったのだけど、僕は、個人的には、(あくまでも正常な評価ではない。と、しておこう)豪華に、多様に、余計に、爆走する物語に、待ち望んだ”疾走感”をあまり感じなかった。これ以上ないほどの、サービス精神てんこ盛りで、がんぱっているのは、うっすらと受け取った。でも、食いつく事が出来なかった。

デットプールよりは、超が付く有名どころの、ウルヴァリンを出してしまったのだから、そして、その他あれこれ、顔馴染みの、見たことのある面々も散見させてしまったのだから、いろんな面で顔を立てなきゃいけなくなった。忖度をしなくちゃ、ならなくなった。そんな、感じがして、焦点がボケボケになったのではないかしらん?たぶん?きっと?(この辺は思惑ではっきりとは言わん)

どれだけ、デットプールが、軽快に下品に、悲惨に、言葉を無限に吐き出しても、ウルヴァリンがズシンと来る唸りのような台詞を響かせても、うっすらとした睡魔を駆逐することが出来なかった。

でも、これも英語がわかっていれば、その背景とニュアンスを肌で感じ取れたなら、きっと、抱腹絶倒、魑魅魍魎、感謝感激していたに違いない、じゃないかと思っている。

なんたって、英語は絶望的に理解不能だし、マーベリックや何やら、あの辺のお決まりを、興味が無いから理解が全く無く。あゝ、そんなのかなぁと絵空事だった。これじゃ、楽しめと言うのは無理芸。そんな、人間が手を出しちゃぁいかんよ兄ちゃんだ。

ぼんやりと、目の前で起こっている、張り切った殺戮を眺めつつ、この放って置かれた残念な感じは、「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」とそっくりだ。

ガトリング砲ごとく飛び出す台詞は速すぎるし、幾重にも社会を風刺したギャグを入れてくる情報の多い中身は、お粗末な理解力では、ようわからんとお手上げ。

その後、これは前書いたのだけど、かのスパイダーマン。Amazonで配信されたのを、Macでじっくり見直すと、すごい!と、感動したのだから、人が感じる事柄や、その時に胸を張って語っている良し悪しなんて、お話にもならないほどのお粗末だと思っている。(僕の知能と感性がお粗末なのは周知の事実)

この、作品も、AmazonかNetflixあたりで、配信されたら、もう一回ぐらいは観てみるつもり。そうしたら、ここで書いたことを、述べた事を無かったように、褒め称えているかもしれない。いい加減な美意識を持った、自称審美眼の塊である僕は。

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