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「魅惑の心理」マガジンvol.162(オンラインでの会話心理学)

最近ではリモートワークが増えて、オンラインで人と会話することが増えました。感染対策のこともあり、ここ2年で急激に増えた印象です。ポーポーも今まではリアルでの打ち合わせばかりでしたが、最近ではzoomによる打ち合わせも増えました。リモートワークは便利ではありますが、馴染めない部分もあります。直接人と会わなくては良いのにもかかわらず、オンラインでの人間関係がストレスになっているのです。
 
「リモートワークは便利でよいが、上司との関係がストレスだ」そう感じる人が多くいます。それを裏付けるこんな調査があります。一般社団法人オンラインコミュニケーション協会の2021年の調査によりますと、20代社員の約65%が上司や上の世代とのオンライン会議にストレスを感じているというのです。ストレスを主に感じるのは、コミュニケーションの「間」の難しさ、表情の読み取りにくさ、時間が長引くことなどだといいます。特に表情が読み取れないというのは無意識に強いストレスをつくるもので、神経をかなり使います。
 
人は相手の目の動き、表情の変化、顔の色、口角の反応、言葉の微妙な変化などから相手の感情を読み取ろうとしています。モニターを通して相手の感情を読み取ろうとすることを続けるリモートワーク。直接会わないでよい利便性や相手に怒られても直接攻撃されない安心感などはあるものの、相手の感情を読み取りにくい背景から、神経が疲れるというデメリットを生んでいます。
 
リアルのみだった状態からスマホやPCを経由したオンラインコミュニケーションの増加。コミュニケーションに使うツールが変化したのに、今までと同じ対応では意思疎通や心の通じ方に問題が出てきます。人はなかなか変われません。これは現状を変えたくないという心理があります。心理学や行動経済学の世界では、それを現状維持バイアスと呼んでいます。バイアスとは思考・判断の歪みのことです。現状維持バイアスは自分を守る防衛反応の一つであり、変化のリスクを受け入れたくない損失を回避したい心理の表れです。一般的に年齢を重ねたり、地位に就くとこの効果は強く働くようになります。どちらが悪いということではなく、私たちは変わらないといけません。

今回の魅惑の心理マガジンは、このリモートワーク、オンラインでの会話に関わる心理についてスポットをあててオンラインの会話ほ心理学的に考えていきたいと思います。こんコンテンツは書籍「ゼロからわかる 人間関係の心理」(P105)からの記事に加筆、再編集してまとめています。ぜひ、書籍には豊富なイラストでも解説していますので、書籍もあわせてご覧いただけるとより一層理解が進むと思います。

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